SNS発ミュージシャンのメディア展開のこと

SNSで注目され、CDをリリースせずに主にストリーミングサービスで楽曲をリリースして聴かれてきたミュージシャンが、そろそろ次のステージに移行し始めています。
各人、きちんと音楽で食べていけるようになるため頑張っているのですが、やっぱりよくわからないところもあり。

■YOASOBI
彼女たちのメイン職場になっている小説投稿サイト「monogatary.com」はソニー・ミュージック・エンターテインメントによる運営ですから、当然彼女たちの所属もソニー。
来年1月6日にようやっと初めてのパッケージ、EP「THE BOOK」のリリースが決定しています。既発5曲+新曲1曲収録ですので、これまでの通例通りの「限定盤」+「通常盤」みたいな売り方をした場合には、通常盤は恐らく2,000円程度の値付けになるかと思うのですが、もうそういう世の中ではなく、特製バインダー豪華仕様の完全生産限定盤4,500円のみリリースという形。

CDはもう「ファンアイテム」であり、ライト層はサブスクで聴いてもらえればOK、という確固たる思想の元、店頭を含む在庫をできるだけ圧縮するところまで含めて利益率を上げてビジネスとして立たせようという試み。
かつこのリリース日は、明らかに中高生のお年玉バブル期を狙っています。例年通り新年の親戚回りができるかどうかはそこ課題ですが、もし彼女たちが紅白等年末の音楽番組に出演しようものなら、さらに数を狙えます。
たぶん今頃、入ってきている予約数や内々で決まっているいろんな情報を睨みながら、イニシャルの数を必死こいて決めようとしている頃ではないかと思います。

■瑛人
彼は今のところまだ単独のCDリリースについては一切アナウンスされていません。
が、事務所としてはセツナインターナショナルに所属したということで。森山直太朗の事務所というか、共作者の御徒町凧が社長やってるところです。
テレビ出演については恐らく事務所に所属したからというのがあるのでしょうが、正直彼についてはこの先もよくわからない。

ただ、「単独のCDリリース」という言い方をしたのは、本日10/28リリースでCDも出ている加藤ミリヤのトリビュートアルバムに参加しているからです。
でも、そこに収録されている「Love Forever」のカバーは、「歌い手」のyamaとのコラボ名義でそのサウンドプロデュースは川谷絵音という、盛り盛り過ぎてよくわからない状況。
とりあえず、加藤ミリヤもyamaも現在ソニーミュージック所属なので、瑛人もソニー絡んでるのかなあ、と思う程度です。

■Novelbright
彼らは2013年結成で、これまでにけっこうな数のCD-RとかCDはリリースしているのですが、2018年以前のものは現在すべて廃盤。
今のところ2018年10月と2019年7月のミニアルバムと2020年5月のフルアルバムは入手可能。そしてその後8月にはユニバーサルからのメジャーデビューを発表。言うても5月のフルアルバムの段階で流通がユニバーサルになっていますので、この時点でだいたいメジャー状態ではあったのですが。

で、配信シングルをリリースし、これからガンガン行くぜというそのタイミングで今月まさかのメンバー全員コロナ感染。ひとりの漏れもなく。まあバンドという形態である以上そうなるのも止むを得ない。
ただ、そうなる前に録音していた新たな音源が先日リリースされたのですが、それがビリー・アイリッシュ「bad guy」のカバー。
彼らって、美しいメロディと張りのある歌声が受けて注目されたと思っていたのですが、そこから全速力で逆らう感じのそれ。「新たな一面を」とかまだそんなこと言い出すタイミングではないと思うのです。
正直カバーとしては滅茶苦茶かっこよくて大好きなのですが、でもやっぱり意図がわからない。