昨日、日本青年館ホールに行ってまいりました。
sora tob sakanaのラストライブ、例のエグい価格のヤツです。A席15,800円。当選しました。そして発券してみたら2A列。2階の最前列です。正味バンドやステージ演出まで観たい楽曲派糞親父にとってはS席以上のベストポジションです。ありがとうございます。
正味入場はいろいろ大変。
身分証明→検温→チケットを自分でもぎって箱へ→入場、と進むのですが、まあこれが面白いくらい回らない。2階席の入場は16:30からだと言われていたのですが、ようやく呼ばれたのが16:45過ぎ。
それでもそこから随分マクったようで、開演10分押し程度で済んだのはえらい。頑張った。
座席は1席ずつ空けて1列目が1,3,5だとしたら2列目は2,4,6になる市松模様状態での着席。当然ですが、声をあげることはNGですし、席を立つこともアウト。
元々17時スタートで公演時間は約4時間という報は受けていたし、入場したら「アンコールはありません」のアナウンス。
いろいろとただごとではない空気の中で開演。
とはいえ、4時間言うてもアイドルグループの解散を含んだ重要なワンマンライブの場合、メンバーごとの非常に長いMCがあるのが常でして、さすがに途中で休憩も入るだろうから、そこまで全部込みで約4時間くらいかかる、ということだろうと思い込んでいたのですが、蓋を開けたらぜんぜんそんなことなかった。
MCは本当にあっさり、最後の方に少し時間をかけたと思ったら、活動を支えたスタッフさんへの謝辞のみで。休憩は15分あったけど、終演後時間を見たら21:40になりそうな時刻でしたので。
ライブ途中、シングルのカップリング曲まで拾っていく選曲でようやく気付く。「全曲やるんだ」と。
デビュー以来、sora tob sakana名義でリリースされた楽曲48曲と各オリジナルアルバムに収録されたプロローグ的インスト2曲の計50曲。4時間というのは全曲やったらそれだけかかるという、非常にシンプルな理由。
果たして、MC含めてまったく感傷的なところのない、ただ7人編成のバキバキの演奏にまったくもってバキバキじゃない歌とダンスで、むしろふんわりと乗っかり続けるいつも通りの3人をただただ拝み続けるわけです。
というか生演奏で初めて聴いた中でも演奏のバキバキ度高めの「Summer Plan」だったかの途中で、ふと我に返ったんです。そもそもこれってすごく不思議な状況じゃなかったか。
テクノ系にしろラウド系にしろ、オケの音が大きめの「楽曲重視」のアイドルグループにはだいたい一人は「でかい声を出す金髪」がいがちで、そういう子はそれで非常に愛おしい存在ではあるのですが、彼女たちはデビュー時点の位置付けの時点でそれらとは一線を画していて。
残響レーベル直系の変拍子上等の爆音ポストロックサウンドに、ジュブナイル感溢れる歌詞を乗せて無垢な少女達に歌わせる、というのが、デビュー直後に多少の修正が入ったとはいえ初期からのコンセプトだったことは、デビュー後しばらくは公式サイトに「平均年齢13.8歳」とかコンマ以下まで刻んで表記していたことからもわかるわけですが、そもそもその組み合わせ自体、冷静に考えれば本当はすごくシュールなものであったなあ、と。
それでも6年間基本線ブレずに来た間に何となく、この稀有で奇妙な表現を「当たり前」として捉えてしまっていたのだと、思ったのです。
自分が初めて彼女たちを観たのは2015年10月のo-nestでのイベント。そこから5年、当初は正直とても奇妙なものを見たという気持ちになったものの、それ以降面白半分で観ていた自分を魅了し、そんなコンセプトを我が物にしてそれを当たり前と思わせてしまうほどに彼女たちは成長しました。
解散の理由はいろいろ現実的なこともあるのでしょうけれど、そういうことにしておきます。彼女たち自身が成長した結果、そろそろジュブナイルから卒業する時期が来たのだと。
最終曲「Untie」が終了し、スモークが一面を覆う中消えるように去って行った彼女たち。それもこの6年を「物語」として捉えれば当然の演出だったのだろうと思います。
2階席からは、急いではけていく彼女たち、見えたけどな。
というわけで、楽曲派なのでこれを買います。最期までお金落とします。