Taylor SwiftとErasureとXの新譜のこと

最近聴いた音源のことをざっくり。

Taylor Swift / Folklore

彼女の音源は「とりあえず押さえておく」程度でしか聴いてなかったんだけど、このニューアルバムを聴いた時「こういうの好きなんだろ」と言われているような気がしました。
実際好きなのだからもう仕方がないのだけど、でも、これまでの顧客層以外のところを取りに行こうとした戦略的な結果としてのこれだとしたらすごい。でもそういう意志が全面にあるとしたら実際こういう音にはならんはずなので、本当はこれどういうつもりなのでしょうか。
凄まじく地味だけど、でもだからこそ彼女の歌い手としての「華」はとてもわかりやすいアルバムではあります。


Erasure / The Neon

2017年の前作は微妙に曲がメロウ気味に寄っていたり、2014年の前々作はいつもよりリズムに気を遣った曲が多かったり、多少の振れ幅は感じられるものでした。そして今作。戻った。何にも振れてない。まごうことなきErasure。1980年代から知っているあの通りのErasureです。
当時からどんだけ技術が変わり、機材が変わったかということを考えると、そして当然人ですからいろいろ考えもするでしょう。この30年以上にわたって「全然変わらない」ことを維持することがどれだけ奇跡的なことなのか、ということなんですよ。歴史をどれだけ重ねても何の重みも蓄積も感じさせない、相変わらずの「ただのポップス」。だからこそ凄い。


X / Alphabet Land

X JAPANが海外進出するにあたって「JAPAN」を付けなくてはいけなくなった原因になったバンドというか、そもそもある程度インディーズ聴いている人間であれば当時からそこそこ知られたバンドだったので、YOSHIKIは仕方がない。
で、これ27年ぶりのアルバム、かつオリジナルメンバーによるアルバムとしては35年ぶりという、もうどうしていいのかわからないレベルのタイムライン。

1980年代から、50-60年代の古い「ロックンロール」を下敷きにしつつも、少なくとも音源からは何か微妙な「ほの暗さ」が漏れ出てくる不思議なバンドでしたが、これだけ時間がたっても全く変わっていない。
そして今作は最新作にして、過去のどの作品よりもわかりやすく「50-60年代の古い「ロックンロール」を下敷きにし」ていることがわかるというか、意図的にそうしている。でもやっぱり彼らのフィルターを通すと彼らでしかないから、やっぱりバンドって面白い。

あと、男女ツインヴォーカルのバンドの話をした時にこのバンドをすっかり忘れていたことに気付きました。