sora tob sakanaのラストライブのチケット価格のこと

5月22日に解散とラストツアー、そして9月6日のラストライブを発表していたアイドルグループsora tob sakana。
ただ、そのラストライブをどのように開催するかは「詳細後日」という形になっていて。

ラストツアーは厳格なルールのもとで開催されているわけですが、昨日ようやく9月6日のラストライブの詳細が発表されました。

いろいろ事情はあります。でもやっぱり驚いたこの価格。
1回フェスに行ったらこれくらいかかる。それは普通に毎夏出している。
でも単独公演で自分が出した最高額って、U2の19,800円か中島みゆき「夜会」の20,000円かあたりが最大。

ただ、やっぱり事情が事情でもあり。
現状では会場いっぱいに詰め込むことはできない、普通に物販も行えない。アイドルならよくある特典会などの接触イベントなんかもってのほか。
あからさまにアイドルの「ビジネス」としての側面が削られまくっている中、どう振るまえばいいのか。
実際、2月下旬からここまでの間に、延期も開催も選べず、ただそのまま解散するしかなかったグループもひとつやふたつじゃありません。
ハロプロや乃木坂のメンバー卒業コンサートは延期されていますが、それはまだ本体がその先も生き続け、そして何よりも他の事務所よりは経営基盤が太いからできることでもあります。

また、彼女達より先に解散を発表したamiinAは、解散ライブを通常に近い形で行えるまで無期限延期を発表していますが、それは2人とも解散以降も恐らく事務所に残るから可能なのだと思います。
それでも経済的には厳しく、クラウドファンディングでもって資金を集めています。

逆に言えば、そういう「恵まれた」環境がなければ「延期」という選択肢は選べない。
オサカナの場合、経済的基盤の問題なのか、3人の契約や今後の予定による制限なのか、それはわかりませんが、とにかく「延期」を選べる環境ではなかった。
そして、後がないそういうライブで、きちんとビジネスとして適正な利益を得ることを考慮した場合、そりゃこういう価格帯になるということも理解します。
現段階で発表した「4時間」という尺も、集大成にするという意気込みと共に、時間単価として少しでも価格納得度を高くするためのものでもあるでしょうし。

2014年の第1期BiSの解散ライブでは10万円から果ては(結果として)1円までの幅広い価格帯のチケットが用意されましたし、2018年のX JAPANのライブ、最終日台風で中止になったヤツですが、この時は「プラチナ:98,000円、ゴールド:55,000円、通常:13,000円」という価格帯でした。
VIP的な高価格帯チケットを準備するという手は、このように過去からもあったことですし、今回特に取り沙汰されるようなことではありません。

でも今のこういう状況下、オサカナの運営が下したこういう判断は、今後「どうしてもライブをやりたい」ミュージシャンやアイドルにとってのひとつのスタンダードになりそうな気もしています。
そりゃ高い。高いけど、いくら出してでも観たい人がそれなりにいれば成り立つし、そういう人がある程度いれば埋まります。外野の人がどうこう言うことではありません。
ていうか、俺もチケット取りに動きます。取れたら当然行きます。こと本件については外野ではありません。

言うてもこれを生で観られる最後ですから。

ていうか、ラストアルバムに収録される新曲、思いきり「残響」的な音に寄せてきた。最後だからって。