SixTONESとSnow ManとジャニーズがCDを売り続けること

SixTONESとSnow Manの件、以前にSixTONESはソニー系のSME Records、SNOW MANはavex traxとレーベルが違うのに両者の曲が1枚の盤に収録される、いわばスプリット盤の形でデビューシングルがリリースされるということで、これオリコンの集計はどうなるのでしょう、ということを書いたのですが、結果としてレーベルで分けることなく、両社の盤の売上を合算する形になりました。そしてオリコン1位

ただこういう方針、過去に既に「前例」があることをTwitterで教えていただきました。
1992年の松任谷由実・カールスモーキー石井のデュエット・ソング「愛のWAVE」。松任谷由実は当時東芝EMI所属、カールスモーキー石井はソニー所属だったため、同じ楽曲がほぼ同じジャケットで東芝EMIとソニーから二種同時リリースされました。相違点はカラオケ。東芝EMIの方は「with YUMING」ヴァージョン、ソニーの方は「with カールスモーキー石井」ヴァージョン。
楽曲が「同じ曲である」という点は異なりますが、だいぶ近い。そしてこの曲も合算で集計され、オリコン1位になりました。

しかしリリースに至るまでの2グループの活動はすごかった。一時期はテレビのバラエティ番組見たらだいたいどちらかのメンバーのうち1人か2人は出ているんじゃないかと思うレベル。雑誌もテレビ誌や女性誌を中心にすごい勢いで表紙だし、これまでにジャニーズが得意としてきた従来メディアを絨毯爆撃的に攻めたプロモーションを極めた感があります。
更にジャニーズ勢としては初めてデビュー時点でフル尺に近い(でも本当のフル尺ではないところはポイント)MVをYouTubeで公開したり、その他メンバーの人となりがわかる動画をじゃんじゃん公開したり、またファン・コミュニティ内ではフラゲ日から「この店にはまだ在庫がある」情報が飛び交い、「積み増し」を行おうとする熱心なファンにとってはこの上ない環境。

そんな新旧の施策・状況を取り混ぜて、132万枚超えという数値。デジタルに放った割にはCDだけで、ストリーミングはもちろんダウンロードすらないわけですが。
でも、ジャニーズの場合はなかなかそっちに向かえない事情があるのではないかと、少し思ったんですよ。

利益率的にはCDがダントツで一番なのは当然ですが、もはや従来メディアで販促したら100万200万売れる時代でもなくなりました。そこで多くのミュージシャンは、ライブとそれに伴う物販を収益のメインにする形でビジネスモデルを再構築しているわけですが、ジャニーズ勢はCD売れなくなる前から大会場を押さえてコンサートを開催しまくり、グッズを売りまくっているわけです。
もっと大会場でって考えても、東京ドームをこれまでの実績以上の日数押さえることはさすがに他のミュージシャンもいますので難しいですし、もっとコンサートの回数をと考えても、ジャニーズの皆さんはテレビや映画に出演してそのタレントとしての実績を重ねていくというのがパターンですので、その活動がある以上、それもなかなか難しい。

要するにこれまでの時点で既にCD販売もコンサートも物販もアクセルをベタ踏みで来ているもんですから、CDが減ったからといって「じゃあ他で」と軸足を移せる場所が現状ではどこにもない。だから「もう本当にあかん」という最後の瞬間まで鬼のようにCDを売り続けることになるのではないかと思います。もしくはCD以上に収益性があって、かつ今以上にタレントを疲弊させない画期的なサービスを開発するか。
まあ、そんないいサービスあるなら、もうどっかの誰かが見つけてますか。

で、ビルボードチャートの方は容赦なく別盤としてカウントしていますので、こんな感じ
オリコンの方もむしろ別計算にして両グループのファンを必死にさせた方がもっと売上が上がったんじゃないかと考えたりもするのですが、それやったら短期で疲弊して大量の脱落者が出るのではないかとも思うので、これでよかったのです。
とにかくオタ活は、身の丈に合った範囲で、優しい気持ちで。