2019年紅白歌合戦のこと

紅白歌合戦見直しました。
正味、「紅白をフェスにする」という前回の方針は凄い勢いでハマり、正味近年では最強の紅白になったわけですが、今回は恐らくもう去年のアレを越えようという方針ではなかったと思います。
少なくとも「2020東京オリンピック」にまつわる演出という「枷」があり、そういうところには持っていけなかったのではないかと。
見た限り、去年のようなすっ飛び方はなく、既存の紅白としての演出の延長線上でどこまでやれるかという感じに見受けました。
正直、ウサイン・ボルトが出てくる文脈などは全体としてもよくわからず、本当に「2020東京オリンピック」に引っ張られてしまったな、と。

結果として、演出の部分ではOfficial髭男dismに「ルネッサンス」をやらせ、その後綾瀬はるかに「樋口カッター」やらせたところが多分今回の白眉。
あと、出演者名のテロップの下に変な豆知識入れるの、それはテレビ東京の選挙速報か。

ただ、MISIAのステージのメッセージ性もすごかったのですが、結果として氷川きよしの己の肉体を張った表現がそれを上回ったという気持ちがあります。
Twitterでも言いましたが、今後紅白歌合戦がなくなったり今のフォーマットでなくなるとすれば、それは「国民的ヒット曲の不在」とか以上に、ジェンダーの部分によるものが要因になるだろうと思います。

以下、ダラダラ各曲を改めて見ながら思ったこと。

  • 上沼恵美子の審査員紹介の時、「来年は歌だよね」と言いましたが、たぶんリハの時M-1と同じようにCD出してたような気がする。で、ディレクターに「絶対やめろ」と釘を刺されたと推測。
  • 綾瀬はるかはこういう女優・タレントが天職だと本当に思う。OLさんになってたら1日1回はコピー機詰まらせてる。
  • 「パプリカ」の世界展開、歌詞のサビのいいところに「ハレルヤ」というフレーズを入れてしまったので、少なくとも積極的にアピールできるのがキリスト教圏だけになっているの、これいろんな教訓を含んでいると思う。
  • 何組も出場者がいる中には「雑演出」になる方もいて、過去には天童よしみや氷川きよしが食らいがちだったのが、最近は郷ひろみが餌食になっている。
  • 「花火」は何でこんな複雑怪奇な構成の曲が売れたんだろうと思う。それでもポップに聴かせられる彼女が化け物ということなんだろうけど。
  • 日向坂がレコ大と紅白で楽曲違うのは、彼女たちクラスでもまだ新人として認知を拡大せんがための戦略ではないか。
  • 純烈の曲のダンスでも、DA PUMPはキレが違う。
  • 「上を向いて歩こう」を持ってきたくなる気持ちはわかるんですが、やっぱり筋が見えない。でもイケメンだからOK。
  • 「糸」も全く筋が見えないのですが、歌唱力モンスターに歌わせるには抜群の曲なのでOK。
  • 「アナ雪2」の歌の中元みずきさんについては、この曲の需要が一回りした後をとても心配しています。
  • キスマイはロケに行かされる。初登場には厳しい。そして結局デビュー曲を歌うことになる。
  • 「天童よしみがMattと絡む」ことにどのくらいのバリューがあるのか全くわからない。
  • AKBは2年連続「フォーチュンクッキー」だし、その前からメドレーには入っていた。完全に「過去曲」「国際アピール」のための枠でしかない。結局矢作萌夏は何だったんだ。
  • 山内惠介の演出は本当にわからない。1年に1つはこういう謎演出があるのだが、今年の謎度はかなり強烈でした。
  • 三浦大知は逆に何故レコ大で「Blizzard」じゃなかったのか。キムタク娘の楽曲だからというなら、それも微妙なレコ大のジャニーズ忖度。
  • LiSAの応援にのっちとキスマイ宮田連れてくるのはだいぶガチ。
  • 坂本冬美の時、大勢出てきたなと思ったら最後列は映像だった。収納スペースの問題でしょうか。
  • King Gnuはオルタナティブではなく、米津以降の新しい「J-POP」の一形態だと理解する。実際そうでないとこれだけ売れないよな。
  • 丘みどりは美人だからもう何でもいいし、実際演出もそういう感じ。
  • 福山雅治が毎年パシフィコなのと、毎年メドレーなのとは密接な関係があると思う。
  • TT兄弟からTWICEというのは、心底酷いと思う。
  • 五木ひろしはきちんとその年のリリース曲を歌うの、流行歌手の矜持として素晴らしいのだけど、近年のリリース曲は何でかこういうムード歌謡系ばかりなので、こういう「雑演出」組に回される。
  • リトグリをアイドルとして眺めた場合、右から2番目推しです。そりゃチャットモンチーのえっちゃん推しだったのですから当然です。
  • DA PUMPはここから何年も結局「U.S.A.」かよみたいなことになる。というか次回も出られるように頑張ってほしい。
  • 今回の紅白最大の謎が、ヒゲダン藤原くんのピアノが何故アップライトだったのか、グランドピアノじゃなかったのか、ということ。これも収納スペースの問題か。でもだったらむしろエレピの方が絵面としてもよかったのではないか。謎が謎を呼ぶ。
  • もう今の欅坂に内村が入るような余裕はないわけですが、それはいいことなのか悪いことなのかはわからない。
  • 今年の綾瀬はるか最大の失敗は、水森かおりの歌に前説が被ったこと。ていうかマジック気になって歌が全く入ってこない。前回に続き。
  • キンプリの「王子」への振り切りっぷりはすごい。でも、冠番組持てないのはバラエティのロケとかで雑なことさせられないという方針だと思うのですが、それはファン的にはどうなんでしょうか。
  • 86番…。
  • でも特別枠のYOSHIKIは例の特注グランドピアノあるのです。でもヒゲダンとYOSHIKIならYOSHIKIの勝ちだし、特注だから使い回しもできないのです。あと、ツインドラムなのに全くツインドラムの音に聞こえないのは大人の事情でしょうか。
  • SOIL&"PIMP"SESSIONS、ちゃんと社長が仁王立ちしてるの最高だな。
  • AI美空ひばりは、前説明がNHKスペシャルほどではないので、何かあっさり始まってあっさり終わって、NHKスペシャル見てない人には「何じゃこれ」感すごかったと思う。
  • それでも関ジャニとピカチュウは合わないと思う。
  • だから権之助坂46は乃木坂の方に移動。
  • おげんさん、ドラえもんのテレビ主題歌になったところにすごい勢いで乗っかった感。
  • オレノが生じゃなかったのが残念。あと、椎名林檎のバックがSOILだったの、長岡が星野源の方に取られた結果なんでしょうか。
  • 本当、Perfumeは「FUSION」だけで終わった方が画期的でよかったのに。というか「ポリリズム」の後付け感がすごい。
  • ビートたけしが今「浅草キッド」を紅白で歌うというのは、彼にとっての「終活」だと思うんですよ。
  • 隔年で「津軽海峡」と「天城越え」を交互に歌う石川さゆりですが、「津軽海峡」は比較的特殊演出なく、普通に歌ってるような気がする。気がするだけですが。
  • さっき「米津以降」って言ったけど、米津はRADWIMPS以降かもしれない。ただ、RADは4枚目のアルバムの時点で「この人たちは今までに得たファンを連れて生きていくのだな」と思って。まさかその後にこんな大確変が起きるとは思ってなかった。
  • 女性ミュージシャンは結婚すると丸くなるという話がありますし、実際そう思った方も過去にいますが、Superfly越智さんくらい変わった方もいないのではないかと思います。
  • 菅田くんは去年から出場しているべきだったと思う。こういう既存メディアで活躍している人のいい音楽は、きちんと既存メディアで広めるべき。
  • 竹内まりやは、バンドが出てきたら旦那探してやろうと思っていましたが、もうハナからそういう気持ちの人の心を折ってきたのでむしろ笑いました。
  • いきものがかりの「ベテラン感のなさ」は、むしろすごい。彼らもそれをわかっていて敢えて武器にしているような感じもする。
  • ゆずは、悠仁は見るたびに髪型が変わっていて、岩沢はいつ見ても変わってない、という印象でしたが、さすがに最近は悠仁も無茶しなくなった。
  • 結局、直接出場はしなかったけど、今年も「米津無双」だったわけですね。そしてラスト1年の嵐がどんだけ無茶してくれるのか、期待してる。
  • ものすごくキツい言い方をすれば、「音楽」としてのユーミンはアルバム「NO SIDE」で終わり、それ以降は「商品」になったと思っています。
  • 結局全ての楽曲の中で氷川きよしが一番最高。
  • よく考えてみれば「半袖のセーター」って、それ80年代には存在していたのだろうか。
  • MISIAの演出はそれでいいと思うんよ。過去からそういう問題に言及してきた人だ。当事者でなければマウントと言うなら、その先に待っているのは袋小路じゃないか。
  • 嵐はむしろ、ラスト1年でどれだけ滅茶苦茶やってくれるのかを期待してる。紅白で片鱗を感じました。というか「Turning Up」の「Turning Up with The J-Pop」というセンテンスは最高。