Tuxedo@ビルボードライブ東京のこと

昨晩はTuxedo@ビルボードライブ。
月1で音楽流しながら飲んでる会に最近我々より一回り若い女子が仲間入りしたのですが、70-80年代のブラック・コンテンポラリーが大好物というなかなかの強者。今回は彼女のお供におっさん3人ついていく形で。
待ち合わせで入り口前で入場する人を眺めていたら、お洒落してきた人と小汚いまんまの人と半々くらいで面白い。私は会社帰りなので小汚い部類。

で、実際そんな感じの音楽なので。
音だけ切り取れば洒落た匂いはするのだけど、ステージは70年代アメリカのコーラスグループのようなダンス込みでブラコンやソウルにストレートに影響を受けたダンスミュージックや甘いバラードをかましまくる。
実際、80年代のヒットチャートに入っていたブラック・ミュージックって、ごく一部を除けばそんなべらぼうに品がいい曲ってあんまりない。ちょっとダサくて、でもそれが故に「何かいい」。
そして彼らはそういう時代のそういう音楽へのオマージュに溢れた楽曲の数々を、「お洒落に」ではなく「シャレっ気」をもって披露する。ものすごくテンション上がったとか感動したとかではないけど、ものすごく「ええ感じ」の音楽。

で、そこで考えたのだけど、日本の「シティ・ポップ」的なカテゴリに入る音楽って、そういうブラック・ミュージックをベースに、いかに「品がある」ようにするか、いかに音楽としての偏差値高くするか、というところにぶっこんでいる音楽なのかな、と思って。
だから「敢えて狙って偏差値52にぴったりぶっこんでくる」ような80年代ブラコン勢や彼らTuxedoのようなアウトプットにはならない、日本独自のものになり。
そしてそういう音が日本独自だからこそ、この世の中でネット上で地続きになることで見つかって面白がられて、結果としてVaporwaveのムーブメントに繋がっていったのかな、とか考えたり。

新しい動きで生まれる音楽、過去の動きをオマージュする音楽。いろんな音楽がある世の中がいい。面白い。