@JAM EXPO 2019のこと

で、土日は横浜アリーナの@JAM EXPOに行っておりました。とりあえずここもVIVA LA ROCKと同様、「今の空気」を確認する場として。それならTIF行けよって話なんですけど、暑いし遠いし並ぶし、おっさんには無理なんですよ。@JAM EXPOは全部横浜アリーナ内でまかないますし、指定席で押さえればしんどい時は座ってればいいので、おっさんには最適なのです。
15分とか20分とかのサイクルでアイドルグループが次々出てくるので、観たの全部言及してるときりがないので、適当に摘まみつつ。

初見で感銘を受けたのはBEYOOOOONDSと開歌。
BEYOOOOONDSはこの8月にシングルデビューしたハロプロの新人なのですが、もう楽曲とMVからいろいろ突き抜けていて、これは観なければならぬと思ったらライブもすごかった。
最初の一瞬は「異端」かと思ったんだけど、違う。これはハロプロの「王道」だ。ハロプロをハロプロたらしめているその一部分をデフォルメレベルに強調して世に放つとこうなると思うのです。
ある意味集大成的な匂いもする。この後、どうなっていくんだろうか。やらかしてメンバー脱退とか、足踏みせずに進んでいただきたい。

開歌はsora tob sakanaが所属する事務所の新人グループで、こちらも7月に初めての一般流通盤をリリースしたのですが、sora tob sakanaとはもう全く異なる、メンバー6人のハモりを中心に据えたグループ。かといってすごい声量とか歌うまいとかではない、「コーラス」ではなく「合唱」と呼びたくなる佇まいで、これも生で観たらどんなもんかと思ったのですが、これはいかん。おっさんがいかに汚れているかを突き付けられているような清廉さ。そして思っていた以上の「歌」の存在感。デビュー曲は元々歌を立たせるために非常に薄いバックトラックなのですが、それすら取っ払って完全アカペラでフルコーラスやってしまう。理屈とか抜きで心に来る。たぶんこの子たちはおっさんヲタを大量に引き連れる感じで育っていく気がします。

以前からの成長を大変に感じたのはuijin。2年前初めて観た時に「金髪の子はこれから場数を重ねて煽りスキルを磨くことで場を操る女王として覚醒する可能性もあるのではないか」と書いたのですが、その金髪のありぃ嬢、この時思っていたのとは違う方向、煽るというよりは己の心情をエモーショナルに吐露する形で場を熱していくタイプに。最大のストロベリーステージへの大抜擢でどうなるかと思いましたが、しっかり場を作っていて。
こういう経験ってきっと自信になると思います。

で、前々から言っている通り、ここ数年で所謂「中堅」どころのアイドルグループがバタバタと解散し、ストロベリーステージの枠をどう埋めるねんというのがある意味見どころではあったのですが、uijinやPimm'sあたりの「大抜擢」感あるのもいましたが、結局1日目はAKB48フレッシュ選抜、AKB48 Team8、SKE48、NMB48、HKT48、STU48、そして小さなステージで無理くり感はありましたが突如発表されたNGT48まで、要するに48グループほぼ総ざらえ状態。一方2日目はBEYOOOOONDS、アンジュルムのハロプロ勢と、乃木坂46 4期生と日向坂46の坂道系。

で、こういう形になった結果ですが、2日目の動員、特に乃木坂46 4期生と日向坂46が異常。もう何年も@JAM EXPO行ってますが、横浜アリーナのスタンディングエリアがあそこまで埋まったの見たことないです。やっぱ今のアイドル界のチャンピオンはAKBグループではなく坂道なのだと、思い知らされました。

ただ、それでもこれだけ続けてみると面白く、STU48とHKT48は「君のことが好きだから」を各地の方言Ver.をそれぞれ披露していたのですが、NMB48とSKE48は既に運営は別会社ですのでそこに合わせるわけもなく、それでもNMB48はシングル曲連打、SKE48はステージ曲の「SKEフェスティバル」も交えて流れを作っていく感じと、各運営の意識の差異も何となく見えたり。NGT48は気持ち的にまだ無邪気に観てはいけない気がして行きませんでしたが。

2日目の乃木坂46 4期生は4期生オリジナル曲も交えた、それなりに「なかなか観られない」感のあるものですし、日向坂46についてはこの後の彼女たちの状況次第ではこのようなフェスに出てくることもそうそうない、ということも考えられますので、それだけで「いいもの観た」感はありますし、楽曲からして最初から「大きなステージに映える」ことを意識しているなあ、とも思えたり、さすが生まれながらのメジャーアイドルは違います。

確かに中堅アイドルが減って寂しさは感じるのですが、そこをこういう「最初からのメジャーアイドル」がプロモーション目的であったとしても埋めてくれるのだとしたら、その他大勢の「地下から這い上がろうとしているアイドル」との対比とか、逆に如何様な形であれ交わったりとか、それはそれでこの後にいい影響を与えるのではないかと思います。と、できるだけ前向きな気持ちになってみる。

あと、帰った後改めてBEYOOOOONDSの「ニッポンノD・N・A」のMVを見たところ、Aメロはともかく、サビの歌詞のハロプロ史上最強レベルで「全く何も言っていない」っぷりに気付いて衝撃を受ける。俺、こういうのが好きだ。