SOMMER SONIC 2019のこと

今年のサマソニは1日目のチケットしか取れなかったのでそれで行ってきました。
実は先週ずっと体調絶不調で、精を付けようと無理くりお昼に肉と米を食ったら、消化に全エネルギー持ってかれる感じになって午後全く使い物にならないとか。
今週に入って多少マシにはなったのですが、スロースタート&深夜の部は諦める形。涙を飲んで。

とりあえずロビー入ってどうしようかと思っていると、向こうの方からアイナ・ジ・エンドの声が聞こえてきたのでフラフラとBiSHへ。あの声は本当に心に来る。
何回か観てはいるのですが、今回思ったのは「越えていく」アイドルグループはみんな「絵になる」のかもなあ、ということ。
Perfumeも、ももクロも、BABYMETALもそうだったような気がして。その場にいるだけで何とかなってしまうようなプレゼンスというか。すげえ薄らぼんやりした感想ですが。

で、本当は神様、僕は気づいてしまったを観ようと思っていたので、最後だけちょっと覗きに行く。
所謂覆面バンドってビークルやFACTのようにライブの時は面出しするタイプと、MAN WITH A MISSIONのように完全にそういう体でやるタイプと2種類いますが、彼らはどっちだろうと思って。
結果としては後者。音や技術は間違いないんだけど、マンウィズ観た時と同じく「あなた方は本当にそうしたくてそうしてるんですか」と聞きたい気持ちになるので、あんまり気持ちよく聴けない。

次、Little Glee Monster。一度観ておかなくてはと思い。
この子達本当にガチだな。すごいわ。一番心に来たのが最後にやった新曲「エコー」。
彼女たちはナベプロのオーディションで集まったわけですが、その企画のベースにはドラマ「Glee」とか、Pentatonixのヒットとか、アメリカでの動きがあったと思っています。
ただ、それをそのままやらず徹底的にドメスティックに翻訳しまくったことが、彼女たちの成功の要因だとも思うのですが、その「エコー」は、よもやゴスペルと思うほどに「太い」音。
ようやくここに来て翻訳する元の、アメリカに接近していくのかと。だとすると、彼女たちはまだまだ未来にやるべきことが山ほどあるわけで、底が見えない、すごく面白い。

スタジアムに移動してYUKI。2011年に初めてROCK IN JAPANで観て、あんまり感銘を受けたのでその後の横浜アリーナと東京ドームの単独にも行ったのですが、そこから久々に。
ROCK IN JAPANの時どうだったっけと思っても思い出せないのですが、横浜アリーナと東京ドームの場合、演出含めてものすごく作り込んだライブだったので、今回ものすごいユルユルの、フェスならではの流れに笑ってしまう。かといってダメなわけでもなく、演奏も歌もさすがに存在感。ただ、何か彼女すごくご機嫌そうで、その楽しそうな笑顔やらMCだけでもう満足。よし。妖精。

Weezer。2016年のサマソニ以来。
異常なほどに初期というか1stアルバムに寄せた選曲、「Africa」「Take On Me」のカバー。つまり俺にとっては最高。リバースのMCも「オハヨウゴザイマース!」「イタダキマース!」から始まり、「ゴチソウサマデシター!」で締める快調っぷり。もうね、本当にいいバンドです。

The 1975。今回の主目的。
だって、彼らのアルバム俺いまいちわからないんですよ。1曲1曲は間違いないものもあるんだけど、アルバムを通すとそのジャンル渡りすぎな音、そして粒度やフォーカス等も、曲によって違いすぎていて全体像がよく掴めないというか。で、ライブであればその全体像がシャープになるのではないかと思って。
結論として、何となくですが理解できたような気がします。少なくとも「アルバムの全体像」とか気にしている方がアホだったなと。

ジャンルとか一切気にせず出てくる表現のベストなアウトプットとしてのアレンジと、その楽曲同様、カラフルなライトと、時折モノクロにもなるライブ映像、表示されるメッセージ、マイクスタンドはあるのでコーラスと思っていたら実際ほとんどコーラスなどせず踊りまくるだけの黒人女性2名。フロントのマシューはRIDEの「Nowhere」ジャケットのTシャツを着て、パンクスのような眼をして歌う。

情報過多の時代におけるコラージュ的な表現と言ったら身も蓋もないけれど、知り得る過去と今を全部飲み込んで吐き出したような音であることは間違いなくて。
自分がわからなかったのは結局昔のように「ジャンル」や「ジャンルとジャンルの順列組み合わせ」でもって理解しようとしていたからだなあ、と。耳の老眼的なもんですよ。
ここで得た感覚が、今後の音楽を聴く時の一助になればと、切に願います。

Two Door Cinema Club。
その流れならB'z観ろよって話ですし、彼らは恐らくサマソニ最多出場の外国バンドなんでまた来るだろって話なのですが、どうしても気になって。
先日リリースされた彼らの新作が、これまでも徐々にそっち方面に向かってる感はあったとはいえ、今回で謎のメジャー感が遂に臨界点を越えたといいますか、過去のインディポップ然とする空気を完全に払拭してしまった怪作となっておりまして、これ何があったんだという思いで。
こういう音の変化がある場合、だいたいメンバーが音楽的な相違で揉めて脱退してフロントマンだけが残ったみたいな、Panic At The Disco的な展開が通常なのですが、調べたらオリジナル・メンバー3名健在。よくわからない。

新作からの曲でスタート。新作のビジュアルイメージ通り原色だらけの映像と共に。ゴージャス。そして過去作の曲もそのゴージャス感できっちりアレンジされて出てくるもんですから、流れとしては違和感ないけど個人的感覚としては違和感しかないという、大変やるせない気持ちに。
それでも聴き続けているとだんだん面白くなってきて、これはこれでありなのではないかという気持ちになったので、よしとする。

土曜の分はチケット取れなかったので、今日は出かけた後ライブ・ビューイング見ていたのですが、フジロックのようにステージ丸々をフル尺で見せるのではなく、一部を除いては冒頭の数曲だけでどんどんステージを切り替えていくスタイル。

これはもうライブ・ビューイングを何の手段として捉えるか、その手段として何が最適解かということを各運営がどう考えているかの差異ですし、数曲だけであってもタダで見せてくれてありがてえとは思うのですが、何かYouTubeでMV公開する際にフル尺で公開するか、ショートVer.で公開するかの違いに非常に近いと思いました。
で、SMASHがフル尺でクリエイティブ・マンがショートVer.というのも、何となくそんな感じがする。