遂に来たかという感じですが。銀座の山野楽器本店がCD販売を縮小します。
楽器店がCDを扱うというのは、蓄音機を楽器店が商材として扱い始めた際に、ソフトの方も一緒に扱ったことに端を発しますが、というか単体のレコード店の発生以前は、洋楽器店がない地方で時計店が製造元から委託されて兼業していた以外は全部そんな感じで、山野楽器はその中でも相当早くから楽器店・蓄音機及びソフトの販売店として銀座の今の位置で商売をしておりました。
ということで、本日その位置に見に行ってきました。
今回はCD販売をやめるのではなく、縮小です。
ただ、現在だいたい3フロア、しかも銀座の大通りに面した路面に近い1階2階B1階で展開しているCD/DVD販売を4階の1フロア、しかも一部の楽器もそのフロアに入るため、結果1フロア未満ということになりますので、恐らく「ただ縮小」ではないと思っています。もしかしたら多少の売れ線のJ-POPとかは残るかもしれませんが、在庫としては楽器販売とリンクするようなクラシックや器楽曲を中心にしたセレクトショップ的な構成になるのではないかと。
ヤマハで今もまだCDを販売している店がそんな感じで、楽譜と同じフロアだったりするんですが、それに近いところじゃないかと思っています。
もしそうなった場合、銀座のヤマハはそんな感じのクラシック中心ですし、三原橋のミヤコはとっくに閉店して影も形もないし、GINZA SIXの蔦屋書店は日本刀は扱っててもCDは扱ってないし、日比谷のHMV&BOOKSはCD販売の面積超狭いし、要するに銀座・有楽町・日比谷界隈という日本随一の商業地において総合的な品揃えで新譜CDを売る店が消滅するということになります。
何となれば日本橋や東京駅周辺まで見ても、東京駅地下のタワレコはもうないし、丸の内のHMVは速攻撤収したし、残ってるのは大手町の紀伊國屋書店か日本橋の三越内の山野楽器。狭いけど。で、南の方は汐留のTOWERminiまで。
以前、東京23区の「街のレコード屋」の数をカウントしていましたが、ここ数年確認できてない店を「生きている」として今勘定してみたら残り25店。で、チェーンのCD店の数を入れても50店舗程度で、CDも売っている総合書店や電気量販店を入れても80程度。それでもまだ「多い」のかもしれませんが、23区の人口を80で割ったら約12万人であり、そりゃ地方の店舗もなくなるわ。
というか何となくこの「人口12万人に1軒」という規模感、しっくり来た。しっくりきてしまう世の中。