衝撃のLOFTから10か月。キャパはおよそ5倍。さすがに完売とまではいけませんでしたが十分に「入っている」感のある約2,000人。
前回のワンマンはLOFTなのにレーザーとかLOFTなのに銀テープとか、そのキャパに合わないつんのめり気味の演出が非常に面白かったわけですが、今回もSTUDIO COASTレベルなのにワイヤーによる空中浮遊とか、子供ダンサーとの共演とか、相変わらずやりたいことをやりたいようにやっている感。
センターステージはあるのにそこへの花道はなく、どうやってたどり着くのかと思ったら案の定LOFTでもやったゴムボートでのクラウドサーフで到達。かなり何往復もしていたので、もはやクラウドサーフというよりは単なる渡し舟状態になっていました。眉村面白い。
いろんなメディアでけっこう顔は見るようになりましたが、LOFT直前の爆発寸前のミチミチした感じは既にあまりなく、彼女も既に「今後どうやって認知を増やしていくか」を真剣に考えていかなくてはいけないフェイズ。
このライブも相変わらず破天荒で天真爛漫な彼女の魅力は伝わってくるのだけど、でもLOFTで食らったあの迫力に満ちたそれに比べると、箱の大きさの分だけやや遠く感じる。ボートだったり徒歩だったりで会場中を回っていたのは、彼女なりにその部分を意識した結果なのかと考えてみたり。正直「これまでのやりかた」だとこれくらいのキャパが限界かもしれません。
ただ、その分箱が狭くても広くても変わらずに届く「歌」の力が、相対的に今回はものすごく響く。この日披露した曲の中で一番素晴らしかったのは、ギターの弾き語り+彼女の歌のみの「おじさん」だったと思うし、ラストの「だいじょうぶ」も、正直ギター1本で聴きたいと思った。彼女自身を遠く感じたとしても、彼女はただのおもしろタレントではなく、圧倒的な楽曲と圧倒的な歌声を持つシンガーなのですから、きちんとそれが届くライブであれば、それで十分素晴らしいライブは作れると思うのです。まあ、ただ歌うだけのライブで満足する女じゃないことはわかってるけど。
次回はリキッドと拡大方針はいったん小休止ですが、「こちとら売れたい」という彼女の意志は聴けましたし、ここで仕切り直してまたガツガツ行くことを期待して。
で、LOFTでは吉田豪氏が「風船を割る」だけのために登場しましたが、今回の「著名人の無駄遣い」枠は、別にコーラスもギターも弾かず2曲の間ただ空中に吊るされ、照らされていただけのスギムことクリトリック・リスでした。
マイクない。股間のテルミンも音出ない。上空で自由に動けない。降ろしてもらえない。2000人の前で、曲中 吊るされて 頭に光を当てられ さらされるだけの屈辱プレイに何故か興奮してる自分がいました。眉村ちあきワンマン@新木場コースト 最高。
— クリトリック・リス (@sugi_mu) June 4, 2019
#眉村新木場ザウルス https://t.co/l7fvho0bJX
スギム、最高。