Ri Ri Riligion@青山・月見ル君想フのライブのこと

21世紀初頭にデビューしたPolyphonic Spreeというバンドというか音楽集団がいたんですよ。
メンバーは不定で最大で30人近くにまで膨れ上がり、その人数でもって多幸感の塊のような曲をぶちかます、それはそれはいかした集団でした。

本当に、一度生で観たいと思っていたのだけど、日本でもApple絡みのCMは流れて日本盤CDも出はしたもののそれでさして人気が出るものでもなく、その人数でもって来日できるはずもなく、調べてみたら活動は今も継続しているのですが、3枚目のアルバムの後に5年空いていて、正味その間に悲しくも忘却しておりました。

そして先日5月16日、吉田豪氏が何のキャプションも入れずにぽいっとツイートしたRi Ri RiligionのYouTube映像を何となく見てみて、猛烈に心を射抜かれる。

唐突に、しかし必然的にPolyphonic Spreeを思い出し、そうだよ俺はあの時こういうライブを観たかったんだよ、と思い出す。速攻で検索し、直近のライブに予約をぶち込む。

それからメンバーを確認してみると、フロントは箱庭の室内楽での活動やゆるめるモ!等アイドルへの楽曲提供を行っているハシダカズマ氏、ギターは言わずと知れた後藤まりこさん、シンセは馬鹿テク大魔王にして矢野顕子楽曲のトラックメイクもしているAZUMA HITOMIさん、ドラムは先日のヌュアンスのワンマンでも叩いていたUさん。
俺的に言えばスーパーバンドの類でもありました。テンション上がる。そして6月2日、直近のライブの日。

まずゲストのDOTAMAさん。
5/29のハイパヨちゃんの時も観た。同一ミュージシャンの2DAYS・3DAYSに連勤した以外、違うイベントでこの近さで出会ったのは畑中葉子さん以来です。相変わらず誠実。DJが別の方だったので、MC等そこここのトーンがけっこう異なっているのが興味深かったです。

そしてRi Ri Riligion。この日は13人。ステージのセッティング終わった時点で少しずつ白装束が出てきて思い思いにチェックして、チェックし終わったらそのままステージの端っこに座ってスマホ見てるとか、ダンサーの人がその横でストレッチしてるとか、後藤まりこさんはギター抱えてただ寝転がっているとか、楽屋がいっぱいなためなんでしょうが始まる前からいちいち面白い。

そして最後にハシダカズマ氏が登場するとこの塩梅。

f:id:wasteofpops:20190603234306j:plain

もうこの絵面だけでとても面白い。
そして、がんがんアルコールを摂取しつつダラダラMCを続けるハシダ氏に業を煮やしおよそ強制的に曲を開始するメンバーというレキシっぽい展開があったり、グロッケンの子が曲の入り間違えたのをその場で厳しく指導する後藤まりこさんと、でもその後藤まりこさんは途中で「おしっこ行きたい」と言い出し本当に行っちゃうなど、およそ他ではなかなか見られない自由度でライブは進む。
正直もっとMCを詰めて流れを作れば音楽的な意味ではもっといいライブになるのではと思ったのですが、そういうバンドということならそれでもう全然いい。

というか、たとえばAZUMA HITOMIさんはアニソンでメジャーデビューしたり、矢野顕子と組んで楽曲制作したり、結構な美人さんだし、「売れよう」という明確な意志があればもう少し上に行けているはずの人。でも2枚目のソロアルバム以降よくわからないユニット組んでは小さなライブハウスで演奏し倒したり、手牌にドラは既に何枚か持っているにも関わらず、上がり役を組む気が全くない感じで。
後藤まりこさんのミドリ以降の活動とかもそうだし、要するにこの集団は総じて「売れたい」よりも「やりたい」が優先する人たちが集まったものと考えてよいのではないかと。

楽曲的にもコンセプト的にも見た目的にもものすごくメディアに乗せやすいスタイルだし、このままドカンと行ってもおかしくないレベルなのですが、だから多分そっちには行かないんじゃないかと思うのです。
そしてまた好きにやる。それ、また観に行かなくちゃダメなやつです。