本日は珍しくアイドル現場のハシゴ。
昼からは横浜O-SITEでnuance主催の3マン企画。nuance、HAMIDASYSTEM、会心ノ一撃の3グループですが、どれもきちんと落ち着いて観たことないから観ようと思って行ったのですが、行ってみたらそもそも落ち着いて観られない仕様のライブでした。
というのは、これ普通の3マンではなく「1曲ずつ交代で順繰りに回していく」という大変にエグい仕様のため。
1曲目、会心ノ一撃が終わりかけたらnuanceがまだ舞台上にいるメンバーの後ろに付き、終わったら会心ノ一撃が捌けるのと同時に前に出てきてパフォーマンス即座に開始、そしてnuanceが終わりかけたら舞台上にいるメンバーを避けるようにHAMIDASYSTEMが配置に付き、曲が終わった途端に次の曲のパフォーマンス開始するという塩梅。
生身の女の子が歌う現場で音響の人がDJ MIXをやっているような風情で進行し、各グループ5曲合計15曲で終了。
落ち着いて観られなかったけど、なかなか面白い試みではありました。アイドルじゃないとなかなかできないことだし。
この3グループ、nuanceはアイドルネッサンスやtipToe.と同じ系列に置いていい「質の高いアイドル楽曲」を目指している感じ、会心ノ一撃は前に観たときはもっとラウド系寄りだったと思うのですが現在はシューゲイザー系の音がメイン、HAMIDASYSTEMはギターが激しく鳴らされる曲もありますが打ち込み系がメインと、三者三様ではあったのですが、こういうイベントにあたって曲順等を練ったのでしょう、違和感はまったくなし。
何となくずっとnuanceが気になっていたのですが、今回その気になりポイントがようやくわかりました。振り付けが何か独特なんです。普通かなと思っていたら微妙な諧謔性のある動きが入ったり、謎の連係プレイが入ったり。妙ではあるのだけど、観ていて気持ちいいのでアリです。
nuanceは4月25日にこれ無謀と言っていいでしょう、O-EASTでワンマンです。どうするつもりなのかさっぱりわかりませんが、とりあえずもう少し観たいと思ったので観に行くことにします。
それ終わって同行者と昼飲みしていた時に、17時に渋谷でnuanceの運営が新しく世に出したグループが出る企画があると聞かされ、もうそれは乗りかかった舟なのでそのまま東横線で渋谷@WOMB LOUNGE。
行ってみたらその企画の主催は、りんねラップを仕掛けた岡島紳士さんが手掛ける新ラップアイドルグループMIC RAW RUGA(laboratory)。もちろん楽曲のメインコンポーザーはりんねラップのE TICKET PRODUCTION。あらこれは素敵な出会いと思い、ラストまでがっちりと。
1組目はnuance運営からのニューグループ、D'yerMak'er?。読めねえ。デジャメイクハー、略してデジャメだということですが、読めねえ。
曲の感じはnuanceとは随分異なり、ファンカラティーナっぽい感じ、BANANARAMAの初期っぽい感じが時々あり、要するに80sのUK臭いので私がこれを嫌いになれるはずがありません。
今日が2回目のライブということで、これから練度上げていってください。
と思ったら「12月にWWWで初ワンマンやります!」とのこと。2回目のライブの告知で。やっぱり運営無謀です。中の人が、追い込まれた状況にならないと仕事しないタイプで、わざと自ら追い込んでいるのでしょうか。
2組目はメリーメリーファンファーレ。知らない。と思ったらこのグループも今年になってから立ち上がったグループ。2019年デビューでメンバーカラーがあって自己紹介の定型の口上があるグループというのは、なかなか珍しいと思います。
で、音楽性も普通のアイドルっぽいのですが、4曲やったうちの2曲目、一番アダルトな感じの楽曲で振り付けもセクシー寄りになってるのが、メンバー濃い目の美人顔の子が多いということもあって一番良かったです。prediaも人口減少したことですし、その路線を狙ってもよいのではないでしょうか。
3組目は脇田もなり。Especia出てソロでやってるわけですが、もうこれ前2組がまだまだこれからなのと比べたらもう恐ろしいほどの安定感。さすがです。彼女は本当に無理なくすっといい声がとめどなく出てくる感があって、大変に聴いていて気持ちいい。
楽曲もR&Bテイストからハウスから80sユーロビートまで網羅していて楽しいし、あとは逆にその安定したところからちょっとはみ出たようなところも観たいと思いました。
4組目が主催のMIC RAW RUGA(laboratory)。彼女たちも去年の11月始動と歴史は浅いのですが、すごい勢いで新曲を発表しているようで、既に1時間の尺でライブができる大物っぷり。で、そのライブが予想以上に素晴らしい。
E TICKET PRODUCTIONの楽曲は基本パーティーラップなので、楽しくないはずがないですし、「新曲やります!」と言ってMigosばりのドープで音数の少ないトラックが始まったと思ったら「犬かわいい猫かわいい」しか言わない曲だし。
そもそも女の子が楽しそうに飛んで跳ねてるの観てるだけでおっさん本当に嬉しくなるのです。きちっとした振り付けももちろん素晴らしいのだけど、これはこれで本当にキラキラして見える。
そして個人的に最強だったのがメンバーHINASEちゃんの声。MCで喋るともう鈴の鳴るような声なんですよ。単純に耳に気持ちいい声。ラップの時はまた多少違った声の感じにはなるのですが、時折やっぱり鈴が鳴る。その瞬間の何とも言えない心地よさ。
これはよくない。よくない方向のハマり方だ。だが抗えない。
奇しくも昨日、RHYMEBERRYが5月での解散を発表し、牙城が崩れた感のあるラップアイドル界隈ですが、MIC RAW RUGA(laboratory)がその穴を埋めに行ってくれるのではないかと思いました。
あとはもう少し発する語が聞き取りやすくなればおよそ完璧です。期待しています。
最後に言っておきたいのは、最近増えている「シューゲイザー歌謡」ですが、日本で最初のそれは、深田恭子の2000年の1stアルバム「moon」収録曲のうち、亀田誠治プロデュースの「黒い雨」だということです。「煌めきの瞬間(Alternative Version)」もなかなかです。
<追記>
「D'yerMak'er?」ってLed Zeppelinの曲名なんですね。理解しました。2枚目と4枚目しか持ってないっす…。