たむらぱん@WWW Xのライブのこと

本日は、たむらぱん@WWW X。夏だ、ライブだ。ということで、ここんとこ立て続けです。
私は彼女のデビュー以来、天才だ天才だとうわごとのように言い続けてきたのですが、ワンマン実は初めてで、前に観たのも2010年のサマーソニックのBEACH STAGE以来。

というのは、まずサマーソニックで観た際の印象があまりよくなく、というか今も結構な割合でいるんですけど、宅録出身で出てきた人がライブやってみたらイマイチ、みたいなパターン。この時は本当にそれで「この人は家でCDを聴いていればいい人だ」という判断をしてしまったのですよ。

それ以降ライブ行こうという判断もしなかったのですが、そこから3年後くらいに「今のライブはだいぶいい」という噂が入ってきたため、じゃあ行ってみるかと思ってからが苦難の道。日程が発表されたら他のもっと観たいのと被ってる、チケット取ったけど当日仕事のトラブル発生、チケット取ったけど当日急な発熱、等何らかの呪いがかかっているとしか思えない状況に。

今日もドキドキしていたのですが、会社を出ようと思ったタイミングで「ちょっと打ち合わせいい?」と声をかけられたものの「ダメっす!ダメっす!」と言って走って逃げたので観られました。明日のことは知らない。

実際ライブを観たらかなりいい。
もちろんすごい馬鹿テクとかとんでもないダイナミズムとかを売りにしているわけではないので、「すげえ!すげえ!」という感じではないのですが、とてもしっかりした演奏にきっちりと彼女の歌が乗り、音源以上にメロディが届く感じの大変に具合のいいライブ。
一部で話題になった「そんなことなら川崎市に行こう」も通常のライブでは初披露、その他も10周年記念のライブということか、ずいぶん昔の曲多め。結果として1st「ブタベスト」が一番だと思っている私には非常に心地よく。本当、何で売れなかったんだろうと思う。のですが。

昨年、私立恵比寿中学に提供した「感情電車」が化け物クラスの名曲だったわけですが、そのネット上の感想のひとつに我が意を得たわけです。曰く「CMでサビだけ聴いた時には何とも思わなかったのだけど、全編聴いて全然印象が変わった」。
それなんですよ。たむらぱんの楽曲は総じてそういうのが多いんです。同じAメロでも1番と2番の歌い回しがまるで違うとか、「A→B→サビ→B→A→サビ」という展開の頭おかしい進行の曲とか、本当に全部聴かないとその曲の本質が掴めないというのが多い。
のにもかかわらず、メジャー在籍時にYouTubeで公開されていたのは「ショートVer.」がほとんどで、かつ宅録時の音源はメジャーに入った際にほとんどが消されて。

つまり、日本コロムビアの当時のネット上での楽曲の扱いルールにハメられた結果、彼女の本当のすごさがいまいち伝わらない、あまり意味のないプロモーションが延々と行われ、そしてその結果契約切られたわけですよ。何か、すごい悔しい。
ただ、ライブ終わり「これからもよろしく」と言ってくれ、アイドルへの楽曲提供で飯を食いつつ自身の活動も続けていくっぽいので、できる限り観に行こうと思った次第です。呪いがなければ。

で、今回のチケットそんな慌てて取ったわけではないのに発券したら整理番号1桁という恐ろしい状況、そっちでもドキドキしながら会場へ向かったのですが、入ってみたら9割以上入っていてほっとしました。見渡すと7:3で男性多め。そして別の現場で感じるのに近い空気感。
アイドルの提供楽曲から作者本人に興味を持ってくれたパターンの、兼業の人多めなんじゃないかと思ったのですが、アンコールの時手拍子を切り裂くように口で「アンコール!アンコール!」と叫び始める人がたくさんいたので、ああ間違いないわと確信した次第です。


ただの名曲。


2番終わりのブリッジからサビのリフレインで、そこまでの印象からがらっと変わるパターン。


神奈川テレビ出演時に勢いで請けた企画ものの楽曲制作でこのレベル。

本当、もっと彼女の特異性わかりやすい曲一杯あるんだけど落ちてないんだもの。
エビ中の「感情電車」も、Aメロも1番と2番で随分違うし、1回聴いてから思い返すと、2番の次のブリッジとしても出てくるメロディから曲が始まるという、珍しい構造。