sora tob sakana「alight ep」のこと

sora tob sakana / alight ep (EP)

MVが作られたリード曲は前作からの延長線上の楽曲であってさして驚きはなく、というか収録された6曲中4曲は既にライブで聴いている曲であり、実際4月のギュウ農フェスで観たときは持ち時間で5曲やったうちの4曲がこのCD収録の新曲という「攻めた」状態で。
界隈での有名どころが揃ったあのレベルのフェスでそういう選曲ができるくらいになったんだなあと感慨もあるわけですが、そこで披露された中で最も「新機軸」感があったのはM-2「鋭角な日常」。この曲はビバラポップでも披露したので、やはりこの盤の中での本命曲ではないかと。

ガムラン的な謎のイントロから入るものの、結果として彼女たちの楽曲史上最も疾走感のある展開となり、途中でブラスまで入る始末。
少なくとも照井氏が自身のバンドで制作した過去の楽曲にはこういう音の使い方、重ね方の楽曲は記憶になく、本当に彼女たちのプロデュースのために自己記録を更新している状態。

歌詞的な新機軸はM-3「秘密」。
彼女たちの歌詞はずっとジュブナイル的なところに軸足を置いてきたのですが、この曲は一歩踏み込んだ感があります。
私立恵比寿中学のたむらぱんによる名曲「誘惑したいや」を初めて聴いた時、この歌詞のテーマは端的に言ってしまえば「処女の性欲」ではないのかと思ったのですが、今回の「秘密」の歌詞でほぼ同じ感覚がして。

正味、全体的に過渡期感はありますが、この後ずっと再生産を繰り返すのだろうかというがっかり感は全くない良盤でございます。とりあえず7月のバンドセットのワンマンへ。

しかし、このリリースから彼女たちもメジャー所属になったわけですが、言うてもまだワンマンで2,000人は呼べないレベルでそれっていうのは、グループとしてそしてレコード会社として、いいことなのかどうかはちょっとよくわからない。