星光堂の卸撤退の実店舗への影響のこと

1月10日の、音楽パッケージ卸の星光堂がハピネットに業務を譲渡した件の続報。

と言ってもハピネットから何かまたオフィシャルに出たわけではなく、ただいろいろ状況的なものを嗅ぎ回った結果なのですが。

星光堂との主な取引小売はこちらのページの「納品先」の通りなのですが、この中で(株)玉光堂で具体的な動きがありましたので。
玉光堂は、北海道内では最強のチェーンですが、道外に出した店は一瞬で潰れるわ、道内も札幌市内を中心に徐々に店舗数削られていたりするものの、埼玉県所沢市に本店があるバンダレコードと合併することで、東北から関東・東海にかけても実質的な店舗網を持っています。
そして、この会社は星光堂の子会社でもありますので、今回の件をもろに被るわけでありまして。

で、玉光堂・バンダレコードは1/16の段階で既に通販サイトの収束を告知開始していて、何となく嫌な臭いがしておりまして、Twitter等で店舗の閉店告知や店頭の閉店告知を見た方からのツイート等がないかニラニラと観察していたところ、何となく動きがありましたので、神奈川県内のバンダレコード4店舗、本日見に行ってみました。結果。

バンダレコード藤沢オーパ店:2月20日閉店

バンダレコードイオン茅ケ崎店:2月28日閉店

バンダレコードららぽーと湘南平塚店:閉店告知なし
バンダレコードららぽーと海老名店:閉店告知なし

2月で閉まる2店の閉店後の連絡先として閉店告知のなかった2店の名前が挙がっていたり、残る2店の予約コーナーを見たところ、新年度4月発売のゆずのアルバムの予約を受け付けていたりしますので、少なくとも2店舗はやる気あり。
というか、星光堂から引き継いだハピネットの新会社の契約は3月1日から効力開始のようですので、少なくとも無条件でぶった切られたわけではなさそうです。

が、このららぽーとの2店舗はそもそもモールのオープンから1年半経っていない店舗ですので、撤収の違約金との天秤で渋々営業継続という判断になったかもしれませんし、2/20で閉める藤沢オーパ店は既存の商業ビルであるとはいえ、昨年9月のオープンから半年を経たずして閉店という具合ですので、正味よくわかりません。
玉光堂本体については今のところ表立った動きは確認できず、きっと会社の中のそれなりの立場の方でないと正確なことはわからない。

ただ、小売店に今まで以上の条件を突き付けるハピネットは我々にとって悪者なのかと言えば決してそうでもなく。元々ハピネットは主にアニメ・ゲーム・玩具系の卸会社であり、大々的にCD/DVDを扱う会社ではなかったので。
元々星光堂以外のCD/DVD卸企業としてウイントという企業がありました。ウイントはライラック商事と日本レコード販売網という卸の2企業が2006年に合併してできた企業でありますが、こういうご時世ですので合併してもたちどころに具合が悪くなりました。その具合が悪くなったウイントを拾って2011年に子会社化したのがハピネットでして。
その子会社も3年後の2014年には親会社に吸収する形になり、それ以降CD/DVDの卸は星光堂かハピネットかの二択、という状況になっての今回のこれなわけです。
つまり、ハピネットがウイントを拾っていなければ、星光堂が昨年末に「もう無理っす」と言った段階で、CD/DVD卸企業全滅≒大手チェーン店以外のCD/DVD店全滅という可能性もあったわけなのです。

とはいえ、玉光堂/バンダレコード以外にも個人経営・零細のCD店も全てハピネットが抱えることになるわけでして、でもハピネットのメイン業務はCD/DVD卸ではないということは厳然とした事実。
CDは再販指定商品ではありますが売れなかった商品を全部戻してOKかと言えばそうではなく、戻していい割合が契約で決まっていたり、商品によっては買い切りのみでの取扱だったりします。また契約の際には保証金も発生しますので、ここらへん含めてのハピネットとの契約更新の条件によっては、今後小さなCD店が閉店する流れは加速することになるのではないかと思います。店主の爺さん婆さんのやる気というレベルを越えちゃっているんですよ。

以下、今後のために時系列。何かあれば続報入れます。

2017年12月11日 ハピネット「当社子会社の会社分割(吸収分割)による音楽・映像商材の卸売事業の承継に関するお知らせ」公表
2018年01月10日 星光堂債権者会議
2018年01月15日 ハピネット内新会社設立の株主決議
2018年01月16日 玉光堂、通販サイト閉鎖発表
2018年01月22日 通販サイトの店舗取り置き、店舗取り寄せ機能の停止
2018年02月05日 通販サイトの全ての取引停止
2018年02月20日 バンダレコード 藤沢オーパ店閉店
2018年02月28日 バンダレコード イオン茅ヶ崎店閉店
2018年03月01日 新組織での契約の効力開始

以降、続報あり次第。