トリプルファイヤー「FIRE」とレコ発ライブのこと

トリプルファイヤー / FIRE (Album)

大喜利で芸人に勝ってみたり、「タモリ倶楽部」で特集を組まれたり、あさっての方向に認知が上がっていくトリプルファイヤーとそのフロントマン吉田ですが、そんな中リリースされたアルバムは一聴してこれまで以上に重い空気。

これまでの彼らの楽曲は、第三者の行動や心理を揶揄する方向性の歌詞が多かったわけですが、今作はどうにもネガティブな表現が多く、かつその「第三者」像の「それ、吉田お前自分のことじゃねえの?」感がする歌詞が目立ち、結果としてものすごく内象的な空気が全体を包みます。
演奏のトリッキーさはより洗練され、初めて聴いた時の「ものすごい飛び道具」的なところは薄れ、特殊ではあってもきちんと「音楽」になってきた感じがします。

で、16日はレコ発で行われた恵比寿リキッドルームでのライブに行ってきたのですが、まさかのだいたい満員。笑った。「タモリ倶楽部」の吉田特集は「あれでファンが増えたらむしろおかしい」くらいの出来でしたが、それでもやっぱり大メディアに乗るとこれだけ動くのかと感心した次第。

ただ、そこはそれ、ライト層が増えると例の「カモン」が確実に罠として機能し、「両手挙げろー」でまんまと両手挙げてる人がチラホラいたりして、やっぱり極悪なバンドだと思いました。

吉田の吉田っぷりは相変わらずですが、ワンマンの長尺でじっくり観ているとやっぱりこれは「敢えて」やっている部分はかなりあるのだなと思います。ただ敢えてこっち方面に振る事例というのは他に皆無であるが故にとても伝わりにくく、そして敢えてやったところでどういうゲインがバンドにもたらされるのかはさっぱりわからないのですが。

で、ゲストメンバーのパーカッションが入った結果、彼らは「高田馬場のジョイディヴィジョン」ではなく、もっとホワイトファンク的な、ポップ・グループ分裂以降の各グループのような空気の演奏がより鮮明に。それでも決して明るくならないニューウェイブ感はどうしようもなく発揮されていますので、やっぱ私好きなんですこいつら。

あと、今回のアルバムにはきちんと歌メロがあって吉田がきちんと歌うという、これまでの彼らを考えた場合大変に衝撃的な曲があり、流れ的にアルバムの真ん中にはとても置けない違和感のため、ボーナストラックのようにアルバムの一番最後に収録されていたのですが、結局ライブでもアンコールの一番最後にやっつけるように演奏されていて、確かにそうしかできないのだろうけど、それならなぜ作った。


次回は紅白ネタで。つうか例年より発表早くないか。