SONIC MANIAのこと

SONIC MANIA+Hostess Club All-Nighterという、朝までのイベント2連発というおっさんには大変過酷な週末でした。

SONIC MANIA

■PANDAS
元BOOM BOOM SATELLITESの中野さんと凛として時雨のTKによるユニット。
中野さんがキーボードの前、TKも何か機材触りつつ歌う、ほんで左右にドラマー2人という謎編成。恐らく多分に見た目上の演出。
BOOM BOOM SATELLITES初期っぽいというか、ラウドな方向は抑えつつの90年代テクノ的な音にTKのヴォーカル。正直彼のヴォーカルにめちゃめちゃ合ってた。そういう風に作ったのでしょうが、凛として時雨よりもむしろこっちメインでやりなさいよと思うレベルで。

■JUSTICE
Perfumeちゃんたちを拝みたい気持ちもありましたが、ここは見たことない方を優先で。
正直音楽として「大好き」なジャンルではないのですが、それでもやっぱめちゃめちゃよくできている。そりゃ盛り上がる。
ただ、やはりこういう音楽は視覚的な演出も込みで体験するものでありまして。
ステージにマーシャルのアンプっぽい物体が山のように積み上げられていて、でもそこからは何も音出ている気配はないので、ああそういうハッタリですねと思っていたらそのうちにそれがおもむろにぺかぺかと光り出して、これもそっちの演出用かと。
で、ちょうどPA卓の真横で観ていたのですが、結構照明のオペレーターさんがガチで動いていて。照明はすごい勢いで変わっていくのですが、可動式のライトが動くのとか色が変わるのとかのシーケンスはさすがにプリセットされているのですが、そのシーケンスの起動であったり、一瞬逆光的に光るやつとかは全部手動。
オペレータのお兄さんがすごい勢いでボタン押したりフェーダー上げ下げしたり。ステージ上のメンバーより明らかに忙しい。
ステージ上のメンバーはそれなりにやることはあるのでしょうが、見ている分には時々手弾きしたり曲をつなぐ以外はミキサーのツマミいじってるくらいなので、この1時間のステージで一番その盛り上がりに直接的に寄与したのは照明オペレータの髭の彼だと思いました。お前もステージ上って手でも振って来いよと思いました。

■SHOBALEADER ONE
変態ベース魔人Squarepusher率いる変態バンド。
4月の単独来日公演に行った友人たちが「すげえ」しか言わないので、それは本当にすごいのだろうと思ったら予想をはるかに超えていました。
うまいけどソロとかインプロみたいな場面はあまりなく、代わりに楽曲自体がもうすさまじい技術力を前提にして出来上がっていて、メンバー4人によって洪水のように音塊を浴びせられるわけです。
馬鹿テクな人たちが馬鹿テクな演奏をする場合、通常は「うまいなあ、すげえなあ」となるのですが、そういう状況ですからそうならない。もう「うわああああああ」くらいしか出てこない。
強制的にアゲさせられる感じ。技術力も間違いなく「力」のひとつであり、それによる「力技」は成立するのだという新しい発見。
2日間でのベストアクトというか、今後のライブ観るときの物差しになるんじゃないかというレベル。
で、彼らは中国でライブやった後の移動でこのステージだったのですが、機材が結局届かず、元々はカスタマイズしまくりの機材で演奏するところを急ごしらえのセッティングでこなしたということで、彼らの100%には全く程遠い状況で、これだったということです。
ので、近々での再来日希望。100%だったらどうなるのか。親を質に入れてでも観てみたい。

■KASABIAN
ライブ観るの初めてだったんですが、こんなスケールの大きな音を鳴らせるバンドとは思っていませんでした。でも考えてみれば、1990年代後半のもうありとあらゆる音楽性のバンドがぼこぼこと生まれた時期にデビューして今も第一線ということは、それだけの実力があるからだということであり。

マンチェスター以降のルーズなグルーヴと60-70年代のバンドサウンドとの融合、つまりThe Stone Rosesが2ndアルバムで実現しようとして至らずにできなかった方向性を、一番上手な形で実現できたバンドが彼らなのではないかと、洗練されているわけではないけれど確実にアゲていくグルーヴを聴きながら思った次第。

■ORBITAL
1990年代に聴いていた彼らと全く印象変わらずかっこいい。
それはつまり、テクノはもう「時代の音楽」ではないということで、実際それはUnderworldやThe Chemical Brothersも未だにに現役であるという時点でわかってることではあるんですけど。
すごく思ったのは「四つ打ち」っていう90年代テクノの基本スタイルを誰が最初に始めたのだろうかということ。結局それは生まれてから30年近く経った今でも有効であり、ある意味エバーグリーンになりうるわけで、というか彼らもそうなろうとしているわけで。

以上、本当は一気にHostess Club All-Nighterまで書くつもりだったんですけど、眠いのよ。やっぱおっさん無理してはいけないので次に。