歌詞のパンチラインのこと

モーニング娘。の「ザ☆ピ〜ス!」の「選挙の日って ウチじゃなぜか 投票行って 外食するんだ」という歌詞は、1990年代以降のJ-POPにおいて最強のパンチラインのひとつではないかと思うのです。
私も先達に倣って今日は朝投票に行った後、ガストでモーニングを食しました。目玉焼きに何をかけるか論争がありますが、ガストは明確に「テーブルに置いてある醤油で食え」という姿勢なのもわかってなかなかに有意義でした。

で、たとえば秋元先生はそういうパンチライン書けないんですよ。彼はストーリーやエピソードで歌詞を紡ぐタイプではなく、情景や感情をひたすら切り取っては重ねて、フォトアルバムのように披露していくタイプなので、逆に「強い」言葉があると全体の中でバランスを欠くと思います。
欅坂の歌詞はいろいろ頑張っていると思うのですが、所詮昭和のおっさんの考える「反抗」ですから、今の若い子たちにとってはいろいろ限界もありますし、世界観としては持って行けても1フレーズですべてをなぎ倒すような強さはないわけです。

ただ先述で「1990年代以降」と幅を付けたのは、1970-80年代の職業作家先生の作品の中には化け物クラスの歌詞があったりするので。
阿久悠先生なんか存在自体が化け物ですから。
ピンクレディー「UFO」「サウスポー」あたりなんかパンチライン以外何もないレベルですし。「きりきり舞いよきりきり舞いよ 魔球は魔球はハリケーン」て、何を食ったらそんなフレーズ浮かんでくるねん。
かっこいいとか悪いとか関係ない。ただただ「強い」言葉。それがパンチライン。

以上、お察しの通りただ「パンチライン」て言うてみたいだけでした。