2017年VIVA LA ROCKのこと

5/3-5は毎年恒例VIVA LA ROCK。
本当はスガフェスまで4日連続で行きたかったんだけど、水樹奈々がコールされた時点の判断では遅すぎてチケット取れず。というわけで3日間埼玉に籠城。
正直もう義務というか、現役感覚をキープするためのチューニングとして行かねばならないという感覚で。

3日間でどれがベストアクトかって言ったらそりゃDragon Ashか10-FEETかってことなんですけど、そんなフェスでの勝ち方熟知しているのを挙げても詮無いので、各バンドの印象は当日のTwitterの方に任せてこちらでは特に面白かったところをピックアップします。

今年は一部例外はあるものの、1日目は「踊るバンドの日」、2日目は「クールなバンドの日」、3日目は「暴れるバンドの日」という感じで区分けされていまして、その分リストバンドを見ていても1日券の参加者が非常に多かった印象。正味3日券のリストバンドほとんどいないんじゃないかレベルで。

1日目。
SHISHAMOはもうおっさんには不要な音と判断。マスに乗りファン層を拡大していく中、1stのヒリヒリした感触はもうなく、若者のための音楽として軽やかに鳴っていました。それでいいと思います。
その分刺さったのがyonige。表にSHISHAMOがいるならその裏にyonigeがいるんじゃないかと思わせるオルタナ感と、それでも恐ろしく訴求性のあるメロディと。特に4月に出たミニアルバム収録の「さよならプリズナー」がとんでもない名曲なので、これどうにかしてほしい。先日リリースされたAGIAN KANGFU GENERATIONのトリビュートアルバムに参加しているので、もうソニーの唾は付いているのだろうけど。

2日目。
一番小さいステージに籠城してシンリズム→yahyel→D.A.N.と連続で観る。
シンリズムは現代に蘇る渋谷系のためおっさんへの刺さり方がハンパない。SHISHAMOのフロントの宮崎さんが全編参加していたのですが、ボーカリストとしての彼女は本当にそういう渋谷系との相性抜群で一生そうやって歌ってろと思うレベル。
yahyelはもうJames Blakeの影響バリバリでバスドラ部分での会場の振動ハンパない感じですが、それでも所謂ダブステップにこだわらないリズム構成とかエモーショナルなヴォーカルとか、いちいちかっこいい。
D.A.N.は音源では全くピンと来ていなかったのですが、生で観てわかった。このバンドはベースとドラムが紡ぐグルーヴがメインのバンドだと。歌もシンセも今回ゲストで入ったスティールパンもおまけだ。
若者がそれそれの表現をそれそれのやり方で形にしているだけで何となくうれしい。

3日目。
もうこの日は俯瞰的に観ることがメイン。「暴れる日」が最終日というのは、万が一何かがあった際のリスクヘッジなんだろうなと思いつつ。
各アクト素晴らしかったのですが特筆すべきはUVERworld。初参加というか、彼らはアニソンでヒットして以降ホール&アリーナでのライブ中心で活動してきまして、恐らくダイブ&モッシュOKな現場って初めてなんじゃないかと。
自分も彼らのライブは東京ドーム以来ですが、彼らの楽曲の熱量考えるとそういうフェスにマッチしないはずもなく、頭の早めの2曲でダイブ&モッシュの嵐。それ以降はメッセージ伝えたい曲中心になってミドルだったり緩急多めの曲だったりで爆発することはなかったんですけど、それでもTAKUYTA∞くん的には相当刺激的だった感じで。
例えればアメフトの大会にラグビーのルールしか知らない連中がやってきて、でもそれなりに試合作って互角に渡り合っているという状況。地力がハンパないわけですよ。
来年また来て、頭から終わりまで爆発しっぱなしのセット組んでほしいと思った次第。


で、全体的に思ったのは、このフェスは4年目を迎えてようやく主催とバンドとオーディエンスの相互信頼関係が成り立ったんじゃないかということ。
去年まではあれだけフロアでの振る舞いを気にしていたはずの10-FEETが今年は煽るだけ。SiMに至ってはウォールオブデスをしようとするオーディエンスに対して「殺す気でやれ」とか言う始末。

恐らくこれはVIVA LA ROCKだけでなく、ラウド系バンドの自主フェスの成果。そもそもラウド系の自主フェスは、大型フェスの過剰な禁止事項の多さから「自分たちなりのルールで」という意志のもとで始まったところが大きいのですが、そこでの振る舞いを「理解」した人たちがその理解の範囲内でのMAXをここでも行っているという感じに見受けられて。
今年はロットングラフティ見てても雨後のタケノコ状態はなかったですし、全体見ても「それは命とか怪我的にヤバいだろ」と思った瞬間もなく。

だからVIVA LA ROCK、そういう自主フェスでのフィードバックも受けつつ、全体的に本当にいいフェスになったと思うんですよ。1回目から追ってきてよかったと思います。
来年も行きます。大好きです。