タワレコとヴィレヴァンの「カフェ」戦略のこと

Tower Records Cafe 福岡天神 5月23日オープン

渋谷店の改装時にカフェ1号店をビル内に出して以降、徐々に拡大してこの天神の開店で全国7店に。単独店舗は表参道店のみ、あとはタワーレコード店内に併設ないしは同じ商業ビル内に出店する形。

最初、渋谷店内にカフェができ、その後恵比寿に「Tower Dining」が出店した際には「副業だな、CD販売がシュリンクした際に別業態でリカバリできるようにしたいんだな」と思ったのですが、「Tower Dining」を2年で潰してカフェ形式に揃えて多店舗展開を行っている状況を見て、ようやくそれはどうも違うなと思い至りました。
決定的に理解したのはタワーレコードではなく、新宿のヴィレッジヴァンガードのカフェ形態のお店の前を通った際なのですけれど。

そのヴィレッジヴァンガードカフェは「コラボ専門カフェ」と銘打って昨年オープンし、ここまで「サンリオ」→「グランブルー」→「おジャ魔女どれみ」 という流れでコラボメニューやグッズの販売を行っています。
元々ヴィレッジヴァンガードは通常の店舗で様々な版権コンテンツとのコラボグッズの販売を行ってきたわけですが、そういうコラボは元々各ミュージシャンがライブの物販等で試みてきたことでもあり。
その後都心の一部飲食店での同様のコラボが散見されるようになり、フェスでミュージシャンとのコラボメニュー販売が出てくるようになり。そこにタワーレコードがCD店という形態の商売ではそういうことが難しいところにカフェ形態を展開することで様々なコラボレーションを開始し、更にヴィレッジヴァンガードが改めてカフェ形式でのコラボレーションを正式に開始した、という順序になるでしょうか。

要するに、そこではお茶や軽食を売ってはいますが、そこのメイン収入は「場貸し/ブランド貸し」の部分にあるのだと、ようやくわかったのですよ。
だから多分順序的には、もうすぐ渋谷modiのHMVがCD棚を一部撤去してそういうコラボ形式のカフェを始めるのではないかと予想しています。
新星堂は盛岡のカフェ併設店舗が瞬殺されてしまいましたし、そもそもカフェががっつりコラボという思想でもなかったようですし、もっとそもそも言えばニュースバリューとして
「あの話題のアニメがタワーレコードとコラボレーション!」⇒「おおお!」
「あの話題のアニメが新星堂とコラボレーション!」⇒「ふーん」

くらいのブランド力の差がありますので、何かいろいろ格差は広がるばかりです。