ミオヤマザキ@日比谷野音のライブのこと

4/1は大人の社会の見学として、メンヘル系新世代バンド、ミオヤマザキ@日比谷野音へ。初心者用チケット300円だったし。
元々がスマホアプリで楽曲を提供したり、サブスクリプション型の音楽配信サービスに限定して楽曲をばらまいたり、非常に狙いどころを定めて既存メディアに依存しない形でいろいろ展開しているバンドであり、原則顔出しなしでの活動なのですが、それはそこ、かつてはBEAT CRUSADERSを擁し、現在もamazarashiやマンウィズを抱え、ミュージシャンのパーソナルにおもねらない形のプロモーションでは一日の長があるソニーの所属なので安心です。

日比谷野音、女の子の方が比率高め、圧倒的に若者だらけの中、非常に場違いな感じでおっさんたち入場。
小さな会場では遮幕も使用しているということですが、野音なのでそれも難しく、最前付近では恐らくいろいろ見えていたとは思いますが常にステージ上は暗く逆光気味の照明で遠くからは顔等見えないくらいの塩梅で進行。

自殺、自傷、変態的な性交、DV、婚活、不倫等々の事象をモチーフにし、「死」「鬱」「ドM」「エゴ」といったパワーワードを散りばめた楽曲群、歌詞がニコ動の弾幕のように表示されるスクリーン。もうおっさんには「なるほど」感満載です。プロモーションだけじゃない、楽曲・演出すべてが狙った層に刺さる仕組み。

そもそも彼女たちはライブのことを「スレ」と呼び、今回はつまり「ワンマンスレ」なわけですが、歌詞も文才というよりは取り上げる事象のキャッチーな部分を掬い上げるエディット・スキルの高さが光り、スレそのものと言うよりはまとめサイトを見ている感じで、自分が16歳の時の言動やら思考やらを思い返したら、もし当時の自分がこれ聴いたら絶対刺さってるわと思うわけで。

そういう端的な事象を取り上げない恋愛的な曲の中には「2人が出会った意味を」云々というような、それめっちゃ普通のJ-POPにありがちだよねというような歌詞もあるわけですが、そういう大意の曲にも例のパワーワードを確実に混ぜ込んでくることで流れとしてはまったくブレず。
ここまで一貫したパッケージングは他になかなかないです。非常に「今」を感じたライブでした。

彼女たちの楽曲の中で一番好きな「バンドマン」。どういうプロモーションに乗っていたとしてもこういう曲を敢えて歌うということは、彼女たちは上昇志向を常に持ちつつ自分たちをギリギリまで追い込みながらやっているということであり、やっぱすげえなと思うわけで。
一方ここまで活動の全体の狙いどころをシャープにしてしまったらそもそもの母集団も相当に限られるわけで、これ以上どうやって拡大していくのだろうかというところも若干心配しながら。

あと、このバンドはVo、G、B、Drという編成なのですが、楽曲のアレンジの中には鍵盤と弦だけという曲もあり、そうなるともうバンドの楽器隊は突っ立っているだけでシーケンスとは呼べないレベルで録音音源をバックに流して歌うことになるのですが、それで長めの間奏があったりするとつまり曲は続いているのにステージに立っている4人棒立ちで何もしていないという、そこだけ切り取るとコントみたいな状況になるので、メンバーの誰か鍵盤の練習した方がいいのではないかと思いました。

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レコード店開店閉店マップは、日本上陸したものの6年で撤退した幻の外資系チェーンSamGoodyと、秋田の雄で県外にも支店網を伸ばしたものの結局現在は本店のみで細々と営業を続けるカシワヤ楽器を追加。すみやはやっぱこれ難敵であり、断片的な情報の繋ぎ合わせ難航中。
あと4月になったので、アイドルグループのキャパ一覧の改訂も行わなければいけないのですが、現在そんな感じで勝手に一人でいっぱいいっぱいになっています。頑張ります。