チーナフィルと蓮沼執太フィルのライブのこと

今週も土日ライブ。
当初は久々のHostess Club Weekenderに参加する予定でがっつり空けていたのですが、その後発表された同日開催のライブの方が長いこと観たかったやつだったので、そっち優先で。

昨年12月の笹口騒音オーケストラとROTH BART BARON(フルバンド編成)、1月のハイスイノナサと大人数編成のバンドが続いていて、何かそういうのもっと聴きたい気持ちになってたっていうのもあるかもしれない。

2/25(土):チーナ / チーナフィルハーモニックオーケストラ@代官山UNIT
チーナは5人編成、その5人に10人追加して15人になったのがチーナフィルハーモニックオーケストラ。
12/21にチーナ名義でアルバム「PULL」、チーナフィルハーモニックオーケストラ名義でEP「PUSH」を同時リリースして、そのレコ発で対バンという体で。
チーナを初めて観たのは5年前の下北沢GARDEN。チーナの他にheavenstump、井乃頭蓄音団、パスピエの計4バンドの企画という、今考えてもよくわからない組み合わせだったんですが、その時初めて井乃頭蓄音団を知ってしまい、印象全部彼らに持っていかれて正直よく覚えてない。でもそれ以降アルバムは全部買うくらいの好きさで。
チーナフィルハーモニックオーケストラで前回やった時は確か何か別のライブと被っていて観られなくて今回ようやく。

元々チーナがVo&Pf、G、Dr、ヴァイオリン、コントラバスという謎の編成であり、それなりにスケール感のある音出すわけで、前半5人のライブも大変に素晴らしく。が、やっぱ15人ハンパないですよ。曲は元々チーナの曲をリアレンジしたものと、最初からフィルハーモニックのために書いたものがあり、特に後者のダイナミズムっていったら。
前者も本当はこういうスケール感でやりたかったんだろうなと思うとなかなか感慨深いというか、もういっそのこと全曲こっちでやれよと思ったりもするわけですが、今回のライブもクラウドファンディングでようやく実現にこぎつけたわけで、なかなか大人数難しい。仕方ない。


2/26(日):蓮沼執太フィルハーモニックオーケストラ@青山スパイラルホール
3年前のアルバム「時が奏でる」が本当に素晴らしくて、今もちょくちょく聴くレベルなのですが、当時のレコ発ライブは確か仕事が入って行けなくて、でもやっぱりなかなかこの人数だと集まる機会も少なく、今回ようやくです。
こちらも本当に素晴らしい。ただ昨日のチーナフィルハーモニックオーケストラとは全く方向性が違うな、と。
チーナフィルハーモニックオーケストラは曲のダイナミズムを可能な限り表現するための手段としての15人編成。一方蓮沼執太フィルは16人の音を重ねていくこと自体が目的というか、むしろ過度なダイナミズムを抑制しているからこそ生まれる音楽の機微というか、細かなニュアンスを含めた豊かさがとても心地いい。

全く違う方向で必然性のある大人数編成。結果としてはどっちもすごく気持ちいいのだけど、いろんな音楽の組み立て方があるのだなと思ったこの週末でした。

で、半ばクラシック的な趣きもあり、曲によっては蓮沼くんが指揮者的に指示を出していたりして、全体的には観客も落ち着いていた蓮沼執太フィルですが、その中で一番会場が湧いたのは、ギタリストのサイトウさんが今日東京マラソンを完走してきたと紹介されたとき。
42.195km走りきった4時間後に2時間のライブをやる男。ハンパねえ。