台湾の誠品書店とインディーズのこと

で、毎年恒例2泊3日の台湾旅行。
週末日本は随分寒かったそうですが、寒気は台湾にまで流れてきておりまして、4回目で初めて「寒い!」と思いました。言っても11℃くらいですが台湾でそれは寒いんだよ。テレビのニュースでは「山頂で霜がおりました!」とか大ニュース状態で、大変面白いものを見させていただきました。

毎年これまでは2月下旬に行っていたのですが今年はいろいろあってこの時期。つまり旧暦文化の地域では年末商戦が始まるよというタイミングであり、そのせいで街がもうめちゃめちゃ面白い。龍山寺に行ったらすごい勢いで赤いお札配ってるし、迪化街に行ったらまさに人でミチミチの年末アメ横状態だし。そもそも通常人様が年末だったら自分も年末であって帰省とか紅白なところ、自分はいたって通常のノリなのに人様だけ年末という状況がとても楽しい。

というわけで今回は街歩きに重点を置いたため、CD掘りは台湾一の複合書店、誠品書店に絞り込み。毎年行っている旗艦店の信義店の他に今回は最新店舗の松於店(本当は於の上にくさかんむり)にも行ってみました。言うても「台湾のインディーズ」のコーナーが独立してあるのが知る限り誠品書店しかないもので。

それにしても誠品書店は何度足を運んでも感心する。ものすごく一貫したコンセプトを店の隅々にまで行き渡らせている。
代官山とかの蔦屋書店は、誠品書店からそのコンセプトをおよそパクってきているわけですが、正味異様に「敷居高い」空気を発散している蔦屋と比較すると誠品書店ものすごく入りやすく馴染みやすいのは、そのコンセプトの解釈の違いでしょうか。
そして松於店の方は「誠品生活」と名乗ってさらに先を行き、所謂「モノからコトへ」の消費の移行を目指すあまり、店内にガラス細工用の巨大溶解炉まで設置する始末。音楽コーナーもフロアの半分がアナログに占領され、もう完全に「トレンドを売っている」状態。
CCC、さすがにここまで攻められません。勝てません。

で、そんな誠品書店の「台湾のインディーズ」コーナーでごそごそ物色して購入したのは結局2枚だけ。明らかに新譜の数が減っています。配信やらのそういう風潮に加えて、元々台湾には中国やら韓国やら日本のがガンガン入ってきているため、自前での制作はさして多くないので仕方ないのですが。ちなみにヒットチャートの1位は台湾の国民的バンド五月天(MAYDAY)4年ぶりのアルバム、2位は台湾でも大ヒット中「君の名は。」のサントラ盤でした。

大象體操(Elephant Gym)/ 工作 (Mini Album)
日本で一番近いのはSpecial Othersということになるのか。原則インストの3ピース。と思ったら歌入りもあったり、インストやなあと思ったら曲残り1分になってから20秒だけ歌が入ったり、何かもう素敵な自由度で音を出している。


守夜人(Night Keepers)/ 永夜島 (Album)
Vo、Key、Drの3ピース。曲毎のアレンジは相当振れ幅大きいのに全体として一貫した空気を持っている腰の据わりっぷり。メロディはすごく聴きやすいんだけど、死んでも聴きやすいだけで終わらせてたまるかという執念を感じます。
MVに出てくる中古CD屋は猫がいて、去年行った時にはJoy Divisionが流れてました。