中島みゆきの「夜会」に行ったこと

昨晩は、積年の念願を果たしました。遂に中島みゆきの「夜会」を鑑賞。
以前から何回か申し上げておりますが、自分が12歳の頃か、人生で初めてひとりのミュージシャンを深堀りして聴こうと思ったのが彼女であり、現在に至るまでずっと中島みゆきは自分の根っこの重要なところにいるわけでございます。
彼女の歌詞の特長やそのすごさについてならたぶん一晩中話し続けることができますが、原則そうなると完全なるウザいおっさんであるため、今に至るまで実現はしていません。

昔から愛聴していたとはいえ、ガキがそうそうコンサートに行けるはずもなく、大学に入る頃には自分内の主戦場が洋楽に移り、社会に出るころにはまた大ヒットをいくつも飛ばしてもうチケットなど容易には取れない状態に。そういう感じだったのですが、今回友人がたまたま抽選に当たったため、遂に。
御代20,000円という、フェス以外のコンサート・ライブに払った金額としては自分史上最高額ですが、背に腹は代えられません。ていうかほいほい払います。払いますとも。

公演の内容詳細は今週末まで公演続きますので割愛しますが、そもそも「夜会」とは何ぞやと申しますと、ただのコンサートでもなくただの演劇でもなく、セリフとセリフの間に歌がある形のミュージカルとも異なる、「演技と(ほぼ)歌のみでストーリーを転がしていく舞台」とでも言えばいいようなブツなのですが、これが実際観てみると非常に情報量が多く、普通に会話として耳に入ってくる演劇と違って歌なのでそれなりにきちんと歌詞を聞き取ろうとしないといけない局面もあり、かつ歌単独としても成立しうるものになっているために効率的にストーリーの進行を把握できる説明的な言葉でもないので、その意図を理解するための思考も必要であり、結果観る方もかなりの集中を求められます。
従いまして実質2時間ちょいですが途中で休憩が入るのは演者のためだけではなく。いや本当観ている間は気にならないのですが、観終ったらもうぐったりです。

そしてそりゃ20,000円取るわと思わせる大掛かりな演出。その一瞬のためだけにそういう装置を用意し、本当に一瞬で使用し終わる。圧巻です。全てのお金がない演劇人の歯ぎしりが聞こえてくるようです。

とりあえず、初めてきちんと彼女を観たこと、その舞台に対しての満足感でいろいろと満ち足りた感じに。あと今回組んでいるのが中村中というのもよかった。本当に行ってよかった。

ただ、記念にグッズでもと思ったのですが、通販ブースでその価格を見た時点で尻尾巻いて戻ってきました。
いや、それでもダメなのは私の方で、実際、前から申し上げている「CDから興行への収益源の移行」については、彼女をはじめ、さだまさし・アルフィー・永ちゃんあたり、世間的なCDの総売上が減少する前から完全にそっちにシフトして大きなビジネスを継続している大御所でもありますゆえ、今更こういう方針に対してどうこう言えたもんではないのです。
そして多分この会場にいるほとんどの方は、我々のようにいろんな他の人のライブにちょいちょい行くとか安かったらグッズ買おうとかいういい加減な気持ちではなく、夜会にせよコンサートにせよグッズにせよみゆき一途に可処分所得を注ぎ込んでいるわけであり、それが本来的に正しい姿勢なのだと思った次第です。

きっと彼ら彼女たちは、佐伯誠之助とか観ることも知ることもないまま一生を終えるのです。たぶんそっちの方が本来的に幸せな人生だと思います。