生ハムと焼うどん・HONDALADY・テレ朝ドリームフェスティバルのこと

金土日とライブばっかりでした。

21日(金):生ハムと焼うどん@TOKYO DOME CITY HALL
2015年2月に初舞台、2015年10月に初ワンマン(新宿MARZ・キャパ300名)完売、2016年3月に2ndワンマン(赤坂BLITZ・キャパ1300)完売、そして今回キャパ3,800のTOKYO DOME CITY HALL、よくない席であることを明らかにしたうえで当日券を1,000円で出すなど苦心の末に、完売には至らなかったものの間違いなく9割以上の入り。初舞台からわずか1年8か月、かつ一般流通では音源・映像を一切リリースしていない状態でのこれであり、空前絶後な状態は継続中。

内容は相変わらず、長編のコント劇を転がしながら間にそのストーリーに沿った形で曲を挟み込んでいくスタイル。今回の寸劇は一言で言えば「生ハムと焼うどん結成秘話(嘘)」という体でしたが、これまで以上に下衆な下ネタをばんばん突っ込み、というかそもそも会場に入場した時点で舞台の一番目立つ位置に洋式便座が鎮座しているという大変に頭が悪い状況でしたので、さもありなん。

次回公演は、武道館を押さえようにもさすがに個人名義では困難があったようで、結局4月に複数日に渡ってどこかで何かやりますよというレベルの発表に留まり、ただ幕前にずっとエイベックスの曲がかかり、映像に大森靖子(エイベックス所属)が登場して彼女とのコラボ企画も決定、寸劇中に三代目JSBの曲をかけているにもかかわらず「DVD出すかも」と言っていたことから、何らかの形でエイベックスが関わりに来ている可能性は高そうです。
とはいえ、本人の意地はあるでしょうが、これ以上の規模で転がすには個人の力では難しいところも多く、外側の制作はもうエイベックスでもどこでも委託する形にして、中の作り込みに専念してもらったとしてももはや誰も怒らないから。

22日(土)HONDALADY(ゲスト:宍戸留美)@高円寺HIGH
HONDALADY本体についてはもはや変わりようがなく日本有数の暑苦しい電子音楽、20周年記念のリクエストライブで3時間以上。あそこまで動き倒した本人たちはすごいけど、観ているおっさんもやや疲れました。
ゲストの宍戸留美は相変わらずお綺麗というか可愛くて、暑苦しい曲続きの中でまさに清涼剤。

宍戸留美自身、アイドル時代には大変に暑苦しい曲も歌っていたりしたのでもうこれは何かの必然的なつながり。でもそれらの楽曲は、現在のサブカル系アイドルグループの一部がやっているわちゃわちゃした楽曲の先祖とも言える構造なわけで、HONDALADYはゆるめるモ!にも楽曲提供していますし、歴史の細かいところを辿ると実はいろいろ繋がっているのではないかと思ったりもします。

あと、最前列の柵にタオルをかけて場所取りしている方を発見。遂にこの風習が小規模ライブハウスのV系でもアイドルでもないところまで届いてしまいました。初めてそれを見たのは6-7年前のV系のライブ。それから間もなくアイドルの現場の方でも見られるようになりあっという間に拡散。さらに数年前には普通のバンド系のライブにも広まるに至りましたが、それでもZEPP、O-EAST、BLITZといった大規模な箱中心の風習のはずでした。
が、今回200人を切るライブハウスで見られるようになったということで、遂にそこにまで行き渡ったか、と。
いいの悪いのは別にして、それでも、いつでもどこでも完全に常識化した行為ではありませんので、今回は最前がっつく方もほとんどおらず全然問題ない空気でしたが、場所取りの権利を強硬に主張した場合、場所・ジャンルもしくは人によってはぶん殴られるリスクのある行動だということはご認識いただいたうえで自己責任で行っていただきたいと、切に願います。


23日(日)テレビ朝日ドリームフェスティバル2日目@代々木第一体育館
初めてV6といきものがかりが観られるということで、勇んで出陣しましたが、正味これはフェスではなく単なるデカイ企画ライブ。いくら現在経営が大変とはいえやっぱりテレビ局はお金を持っているのでステージにすごい電飾が施されている。
そしてフェス公式グッズの青いペンライトをすごい割合の人が購入しているのを観るにつけ、明らかに私が知っている「フェス」とは客層が明らかに異なることを思い知る。その1-2日にしか使いようのないペンライトを購入するということは、もうその方々にとってはこのドリフェスは年に1度レベルのお祭りだということです。そういう、普段あんまりライブに行かない方々を多く含んでの11,000人です。

以下、出演順に。

V6
もう心底素晴らしい。エンターテインメントとして完成されている。サービス業として圧倒的。ジャニコンはとにかくいろいろ趣向凝らされていて楽しいんだよという話はよく聞くのですが、その一片を垣間見ただけでこれだけ感動する。ワンマンになったらどんだけなんだと空恐ろしくなる。6枚の可動式大型ディスプレイを使っての自在な映像連携プレイ、会場中を走り回る6台のトロッコ。喋るイノッチ、照れる剛くん、髭を生やす岡田くん。6人みんな最高です。
ワンマンすごく観たくなったんだけど、ただでさえ取りにくいところに本当に観たいファンの方が観られなくなるのは忍びないし、そもそもおっさんが行くとかなりそれは性的なアレを疑われる事態にもなりかねないので、これで満足することにします。

星野源
花道の先の小さな舞台にセットを組んでのアコースティック。フルバンドとは違う趣き。でも彼の作る音楽は異常にメロディが立っているのでそれでもきちんと様になる。でもやっぱバンドで聴きたかったかな、本当は。

レキシ
この日の物販、一番の大行列はレキシであり、その大半がすごい勢いでフェイク稲穂(600円)を買い求めている異常事態。稲穂所有率がどう考えてもレキシのファンの数を越えている。稲穂御殿が建つレベル。そしてこういうフェスの場合、池ちゃんは圧倒的なプレゼンスを発揮して持っていくところ全部持っていく。
相変わらず曲の途中でバンバン横に逸れ、この日の出演者の曲を勝手放題に口ずさみ、バンドはその無闇なスキルでもってその勝手放題に食らいついていく。後ろの女性が「すごい!バンドすごい!」と驚嘆の声を上げるレベルで。
ただ、「狩りから稲作へ」は、途中の逸れまくりの結果、肝心のコール&レスポンスが消化不良気味のまま終わって残念。何とかしてほしいところですが「もう少しペース考えろよ」とか言うのも思うのも無駄だということは知っている。

PUFFY
元々彼女たちのヒット曲の多くも言ってみればパーティーソングなわけですが、とにかくレキシの圧倒的な熱量の後では割と本気で辛い。ほぼ初期のヒット曲連打で臨みそれなりに場は作ったものの、10代の子も多かったこの日、考えてみれば彼女たちのヒット曲を知っているのも20代前半がギリギリであり、ややヤバい。

エレファントカシマシ
まごうことなきエレカシ。もちろんこういう場です。いきなり2ndアルバムの曲をぶちかますなんてことはなく、きちんと知れた曲を並べているのですが、それでも曲毎に何か喋り、本当に一生懸命曲をこなす感はもう昔から変わらない彼らであり、だからこそずっと信頼できる。
ただ、そもそもの電飾やら照明やらが派手なのがデフォの状況、場が真っ赤に染まってその中を白いスポットがぐるぐるして花道もあるなんていう、通常エレカシが絶対やることがない華やかな舞台上で絶叫する宮本が一瞬B'zの稲葉さんのように見えたりして、これはこれで面白いものを観たと思うことしきり。

いきものがかり
普通にしていたら絶対観る機会がないのでここぞとばかりに観る。正味ヒット曲内におけるバラード比率がハンパないわけで、でもライブは盛り上げなくてはいけないというその葛藤が感じられる、頭3発バラードからのそこから盛り上げ方向にという曲順。納得感高い。で、思ったのは彼女たちを応援し、このフェス専用のペンライトを買うような層が世の中一般的に言うところの「音楽好き」の中央値なんだろうと。

たとえば私、ラーメンは決して嫌いではありませんが「年にラーメン500杯食べる男が選ぶベストラーメン」と言われたところでそれ食いたいとは思わないわけです。だって1日3食ラーメン食って平気な人と同じ味覚じゃないですから。米もパンもパスタも食いたいですから。
でも言うてみたら私のこのブログは恐らく「年にラーメン500杯食ってる」のとあんまり変わらないわけですよ。音楽という切り口では。毎日たくさんの方に見ていただいてありがたいとは思いますが、でも正味お前ら頭おかしいよ。俺と同じレベルで。

で、いきものがかりはそういう意味で頭おかしくない人のための音楽なんです。音楽を生活の彩りとして捉えられる人たちの。俺それ絶対無理なんだけど、でもそれはこちらに問題があるわけであり。
求められるものを過不足なく提示し続けられる彼女たちはやっぱりプロなのだと、すごい勢いでステージ中を走り回る聖恵ちゃんを観ながら思った次第。

ただ、数年前に「聖恵ってものすごく性欲強そうだよね」と女友達から振られたのですが、それに何て答えればよかったのか、今もよくわかりません。