映画「シング・ストリート」のこと

今日は周囲で観たヤツ本当に全員から「お前は絶対これを観ろ、そして死ね」と厳命されていた映画「シング・ストリート」、どうせ観るなら極音上映の立川シネマツーへ。本当に死にそうになった。
80年代に思春期を過ごし洋楽を聴き、少しでもバンドやってみたりやろうかなと思ったことのある人間は全員観るべき。観る義務がある。
「傑作!」と鼻息荒くするような映画ではありません。でも全編通して愛すべきクズしか出てこない、とてもチャーミングな映画です。そして己の中に眠っていた思春期マインドがすごい勢いで刺激され、「バンドやって女子にもてたい」と心から思うのです。

映画内で披露されるオリジナル楽曲も本当に素晴らしい。当時の実在のバンドの楽曲もバンバン出てくるのですが、劇内バンドがその楽曲群にインスパイアされて作るオリジナル曲が総じて「あー、それに影響されたらそういう曲になるわ」という感じの曲。つまり「80年代楽曲をリアルタイムで聴いた体で2016年に作った曲」であり、もうそれが面白くてたまらんわ、いい曲過ぎてたまらんわ状態なのですよ。

大変に楽しく観終わってエンドロール眺めていたところ、楽曲紹介の文字列にたまげる。「Written by Gary Clark」。ちょっと待て。元Danny Wilsonのハゲか。終演後即調べる。マジだ、あのハゲだ。一発屋だったけどその一発が80年代UK屈指のド名曲「Mary's Prayer」である、あのDanny Wilsonのハゲですよ。当時本当に80'sUKの渦中にいた久々に聞く名前のええ仕事を鑑賞したというだけでも、本当に観てよかったと思いました。

映画館出たすぐ近くにHMVがあるのですが、観終わった後どうしてもサントラ盤が欲しくなり駆け込んだところ、さすがの面出し陳列。素晴らしい。帰ってすぐ聴いてじわじわ来ている。曲順も「実在の80年代の楽曲」→「それに影響を受けたという体で作られたオリジナル楽曲」になっていて、もう楽しい。すごく楽しい。

で、シネマツー、「君の名は。」も「シン・ゴジラ」もやっていて、ロビーは人だらけカップルだらけだったのですが、上映15分前になるとその中に混じっていたお一人様のおっさんおばはんが綺麗に「シング・ストリート」に吸い込まれていくのを見て少し感動しました。そういうので満員。素敵な場所でした。お近くで上映の際にはぜひ。このサイト見に来る皆様はだいたいそういうヤツらだと思います故。

「君の名は。」も「お前は絶対これを観ろ、そして死ね」と厳命されているのですが、この調子でいくと年末近くまでのロングランになるのは確実そうで、少し油断しています。

ニューロマ全開。

Voの子のメイクでお察しの通りの元ネタ。

80年代でこのモータウンなベースラインと言えばもうアレ。

80年代UK稀代のド名曲。