Morrissey@渋谷オーチャードホールのライブのこと

9月28日はモリッシーさん(57)@渋谷オーチャードホール。
私はThe Smiths原理主義を自認している者ですが、実は生モリッシーさんは今回初めてです。The Smiths時代は結局来日せずに解散し、ソロになって1991年には初来日を果たすわけですが、当時はThe Smiths原理主義であったが故にまだソロに対してピンと来ていなかったがためにスルー、1995年は仕事的にライブ観に行ける状況でなく、2002年サマソニは何故スルーしたか記憶がなく、2012年はぼんやりしているうちに来て帰ってました。

という感じで、10代の頃のいろんな思いを抱えながら仕事帰りに渋谷に向かい、開演時間ぎりぎりに入ったところ、スクリーンにはThe DamnedやらIke & Tina TurnerやらSex PistolsやらNew York Dollsやら、彼の好きそうなバンドの映像がガンガンにかかっていて、結局開演は30分押し。というか、たぶんその映像が前座みたいな感じになっていて、ほどほどにアガったところで御大登場という寸法。

出てきたモリッシーさん(57)は第一声「コンニチワ!」。ああ、これはThe Smithsのライブ・アルバム「Rank」での第一声「Hello!」の本人による和訳だと、ものすごくどうでもいいところで勝手にアガり、ただそれ以降曲が終わるとお辞儀をしたり、最前の方とマメに握手をしながら歌うのが非常に演歌歌手ぽかったりしたので、ああ、彼も歳を重ねて丸くなったのだなと思っていたら、それ大間違いでした。

ずっとThe Smiths時代から続くジャケット芸のようなポートレイトをスクリーンに映し出していたのですが、警察による暴行を題材にした「Ganglord」では、そういう題材に合わせてバックにはずっと「警官による民間人暴行」の映像(けっこうえげつないヤツ)が延々と流されまして、そしてThe Smiths曲来た!と思ったらいきなり「Meat Is Murder」であり、そのバックには当然「食肉加工」の映像(けっこうえげつないヤツ)が延々と流されます。さらに曲終わりにはきちんと日本語で「あなたはどう言い訳しますか? 肉は殺人です」という巨大テロップがでかでかと表示されるに至り、何で12,000円払って来てドン引きしなければいけないんだと思うと共に、モリッシーさん(57)のモリッシーさん(57)たる真髄を観た気になって正直少し嬉しかったりもして。
確か日本リリースの対訳では「食肉は殺人」となっていたはずですが、どっちにしろ「もう少しいい意訳はないのだろうか」と、恐らく彼の意向とはやや異なるところでしばし考えたりもして。

本編終了は唐突でしたが、アンコールのThe Smiths曲「What She Said」は悶絶するほどかっこよく、それなりにきちんと楽しめて、結果としてはものすごく「ああ、とてもモリッシーさん(57)を観たなあ」という満足感。
そして、あなたがそう来るのであれば我々は当然こう行きますよという切なる想いを込めて、終演後は渋谷肉横丁に行って肉をたくさん食べました。おいしかったです。
僕らの想い、モリッシーさん(57)に届け。

最近はいろいろ盛り盛りで、9/30-10/1はおっさんによるおっさんの祭典「いとうせいこうフェス」に行って参りまして、それは次回。