映画「不思議惑星キン・ザ・ザ」のこと

CDはアホみたいに買うものの、最近は歳食って多方面にアンテナ張るのもしんどくなってきて、映画の方は年に3-4本程度にまで落ち込んでいたのですが(で、そのうち1本が「あっちゃん」だったり)、この1か月ちょっとで3本も観ていて少し頑張っている。

「ズートピア」は、もし動物アニメではなく実写でやろうとしたらとても公にできないレベルの酷いことになるのが確実なテーマを、よくこのレベルのエンターテインメントにまで咀嚼したと、メリケンのそういう能力におののくばかり。
「シン・ゴジラ」は、こういう質感の映画って今まで観たことないと思った。私はとても気に入ったのですが、ただ完全に日本人による日本人のための日本人の映画なので、何かこの後全米でもかかるらしいけど大コケすると思います。

で、昨日観に行ったのが「不思議惑星キン・ザ・ザ」
1986年のソ連製映画のリバイバル上映。1994年に今は亡き自由が丘の武蔵野館で観て以来、東京でかかる時には必ず観てたぶんこれで4回目。大好きなんだけど、DVDは2002年にリリースされても一瞬で廃盤になりあっという間に高騰
ようやく今回15年ぶりの再上映にありついた次第。
どこが好きなんだと問われても「何となく」としか言えない薄らぼんやりした、でも明らかに何か全体的におかしい映画。全編通してだいたい薄汚いし、多分当時のソ連の状況の風刺にはなっているんだろうけどそれにしては緩すぎるし、何やってるか時々わからなくなるし、クライマックスのはずのシーンでものすごく弛緩した音楽流れるし、よくよく見たらそれなりにお金かかった映画なんだけど、全くもってそういうふうに見えないし。ただそういうところを含めてとてもいとおしい気持ちになるのです。

これまではさすがに1980年代のソ連の映画と言って付き合ってくれる人もおらず1人で観に行っていたのですが、今回先週末に当日適当に集まって飲んだ2人を誘って道連れにしたところ、どこまで2人が気に入ってくれたかはわからないものの、終わってからみんなで「くー。」ができたので嬉しかったです。意味わかんないかもしれないけど、観たら絶対やりたくなるので(こちらの「パッツ語」参照)。
なので、できれば2人以上で行くとより楽しいです。東京では9月下旬まで新宿シネマカリテで。それ以降順次全国。今回リマスターなのでロードショー後たぶんパッケージ再発もされると思います。ほどほどにお勧めいたします。

で、今回サントラ欲しいなと思って検索したところ、DVD以上に高騰していて鼻水も出ない。