蔦屋書店とHMV & BOOKS TOKYOのこと

蔦屋書店が中目黒に2016年秋オープン

代官山の蔦屋書店くらい居心地の悪い場所、そうもないと思っている口です。
よくあるじゃないですか、「コーヒーが好きなのでもスタバが好きなのでもなく、スタバにいる自分が好きなだけなんじゃねえの」とか、「音楽が好きなのでも夏フェスが好きなのでもなく、夏フェスが好きな自分が好きなだけなんじゃねえの」とかそういうの。代官山の蔦屋書店に集っているのはその手の人たちの日本トップランカーだと思っているのですよ。割と本気で。
ただ、人生においてどっちが勝ち組なのかと問われれば私の方が割と惨敗な方で、ああいう場所を素直に楽しめた方が実際人生は楽しいのだろうなとは、それも割と本気で思います。

で、蔦屋的なメソッドをふんだんに流用して鳴り物入りで開業した渋谷のHMV & BOOKS TOKYOですが、現状割とスカスカ気味でございまして。言うても渋谷modiごとスカスカ気味なのでHMVだけが悪いというわけではないのですが、少なくともかつてそういう商業ビルで上層階の書店やCDショップが担っていた「シャワー効果」的なものは一切ないということは断言してもよい塩梅かと思います。

後出しで考えてみると、ああいう業態は既に立派な書店やCD店がある都心にはそぐいにくいじゃないかと思ったり。都心に明確に目的をもって買い物に来た場合にはあんな薄らぼんやりした品揃えの店は確実に選ばれませんし、かといって何も目的がない人が来るには建物の5階より上というのは遠すぎる。
こういう場所に人を集めるためには、気分でアクセスできることが必須であると共に、アクセスした人の中から一定の割合で圧倒的に「その場所のファン」を作らなければなりません。蔦屋書店もスタバも夏フェスも結局それなわけで、比較するとHMVはあまりにも世界観の作り込みが雑。
オープン直後に行ったところ、お洒落なカフェがあってデザイナーズ・ステーショナリーが並んでいる相当いかしたなゾーンの空きスペースに、AKB48メンバーの等身大パネルが雑に並べられていたりして、その時点ですげえ詰めが甘いと思っていたのですが、一事が万事そういう感じなのではないかと思います。

やっぱ蔦屋の世界観の作り込みは、言ってみればディズニーとかのそれに匹敵するわけで、生半可な流用ではそうはいかんです。
で、やっぱ女の子とディズニーシー行くとそれはそれで楽しかったりするわけで、もし女の子から「蔦屋行こうよ!」って言われたらそりゃほいほい行きますし、「楽しいね」って言われたら当然「楽しいね」って答えるのです。一緒に蔦屋行く女の子いないかな。