The Assciatesのこと

ここんとこずっと、アイドルのことかレコード屋のことかフェスのことしか言ってないような気がします。
元々このサイトの発端であり、今も自分の主戦場なのはあくまでも80年代以降のUKバンドであると自分では思っているので、今日はThe Assciatesの話をします。

1979年にBowieのカバー「Boys Keep Swinging」でデビュー、1980年に1stアルバム「The Affectionate Punch」をThe Cureでお馴染みFictionレーベルからリリースして以降活動ペース異常に加速、1981年には都合7枚のシングルをリリースするという馬鹿ペース。
その年にそれらシングルをコンパイルしたアルバム「Fourth Drawer Down」を出し、翌年にはメジャーに上がって一番のヒット作「Sulk」をリリースという流れ。
先月にこれら初期3枚のアルバムが未発表含むデラックス再発されたので大人買いした次第。

この時期はさすがに私も小学生でしたのでリアルタイムではないのですが、見た目上ニュー・ロマンティックっぽくても確認できた限り明確に仲間に入れてもらえてなかった感あり、かといってエレポップの方にも入れてもらえてなくて、これは何よということなのですが、まあそれは曲を聴けばわかる。

うん。何度聴いても曲全体のデッサンが狂ってる。明らかに歌がトゥーマッチです。
元々メジャーに上がるまではかなり実験的な音像でもって音作りをしてたということもあるのですが、これが彼らの唯一無二の個性であり、だからしてカテゴリーの中に収まり切らない。
自分は初めて聴いたのがこの「Sulk」で、「こういうぶち抜け方もあるんだ」と妙な納得をし、それ以降すごく聴いたということもないのですが、心のどこかにずっと残っているバンドでした。

基本メンバーはそのヴォーカルのBilly Mackenzieと基本ドヤ顔のキーボードAlan Rankineの2名でしたが、「Sulk」の後にAlan Rankine脱退、Billyの1人プロジェクト状態で1990年にバンドの看板を下ろすまで続きます。最終作のアルバムタイトルはその名も「Popera」。その声をどこまでも武器にして、でも規格外が故に大きなポピュラリティをその後得ることなく、1997年に薬物過剰摂取による自殺で亡くなりました。
Alan Rankineは脱退後にクレプスキュール・レーベルまわりで仕事をしています。

自分がどういう音楽が好きかともし聞かれたとしたら、何でもいいからメロディアスで、でもどこか過剰な音楽がいい、と答えます。J-POP聴く耳であっても綺麗なメロディを綺麗に演奏するだけのバンドはもういいんですよ。ミスチルなら「深海」、スピッツなら「名前をつけてやる」に心動かされたのもそういうことだし、アイドル聴く耳であっても、綺麗に可愛いことしているのよりもどっか無茶苦茶なことやってるのに心惹かれるのも全部同じです。

そういう嗜好の原点に近いところにこのThe Assciatesがあって、結局大好きなんだなと。だから大人買い。