2月11日はこの企画ライブ下北沢Shelter
何というか非常に気持ちの悪い組み合わせであり、恐らくブッキングした方も「楽曲の作りがどっかおかしいヤツら」というあたりでしか括ってなさげであり、かつどれもきちんとした形でライブ観ていなかったので、そういうの観に行かないわけにはいかんのです。

3776。
富士宮のご当地アイドルという体ではあるのですが、最近おかしな方向に評判が評判を呼び、有頂天ケラ氏をして「ナゴム魂を感じる」と言わしめた奇天烈な楽曲群を揃えるよくわからない存在。
現状では中学2年のちよのちゃんによるソロユニットと化していますが、「老け顔」と自分で言うくらいでびっくりするような美少女ではないものの、手足が長く、またバレエを齧っているっぽい動きで非常に踊りが映える。そして彼女が自分の持ち歌がヘンテコであることを積極的に理解してそこに乗っかろうとしている感がありありと伝わってくる。

楽曲が楽曲なので絶対にオーバーグラウンドにドカンと出てくることはないのだろうけど、でも非常に独特なところではあってもそれなりに完成されている感じはして、これはこれで。


トリプルファイヤー。
散々推していた割には予定がどうしても合わなくて、ライブはタワレコのインストアで観たっきりだったので、きちんと観ました。
まともにはきはき喋れるメンバー皆無の中、渋々という感じでVoの吉田くんが非常にやる気なさげにMCをするのだけど、その内容から次の曲の入りから、実に計算された結果のそれだということがわかる。「いかにダラダラした感じに見せるか」を緻密に考えている。実に面倒臭いバンドだ。

3776を受けて「富士山と僕は全然関係ない」と繰り返す「富士山」をセットリストに加えるという、大人としてはかなり下衆な行為を行いつつも、バンドのライブでの盛り上げを揶揄する「カモン」は、知名度ではかなり上の曲にもかかわらず初見が多い企画ライブ故か外してきまして、そこは勘違いして本当に盛り上がってしまう観客へ配慮したかとも思わせたり、相変わらずよくわかんない奴らです。

まあ、先日のクアトロでのワンマンで「カモン」やったときの映像見たら、何となく微妙な空気になっていたので、自分らが嫌だっただけかもしれません。自業自得であります。


Maison book girl
元BiSのコショージ含む4人が、元いずこねこのトラックメイカーだったサクライケンタの楽曲を演るユニット。
非常に楽曲のレベルは高く、メンバーも可愛く、アイドルとしては申し分ないはずなんだけど、結局サクライケンタ楽曲の世界観をなぞっているため、いずこねこでにあった、彼の陰鬱な楽曲をマリちゃんがパフォーマンスで完全に「陽」の世界に持っていってしまった時のようなカタルシスがないのが残念。どうしても比較対象があると比べて見ちゃいます。

ただ、それでも外様的な目で見た時に一番面白かったのは彼女達でありまして。
サクライケンタの楽曲は現代音楽をベースにした結果恐ろしい勢いで転調を繰り返し、3拍子4拍子5拍子7拍子入り乱れる展開でございます。そんな中メンバーもしれっと7拍子の手拍子をオーディエンスに強要し、相対するオタも3拍子でミックスを打つという、謎のガラパゴス的進化を遂げた他では絶対に見られない現場。

事前に同行者がオタから聞いた話として「1曲しかアゲ曲がないんだよ」とこぼしていたということを耳にしていたのですが、一発でわかった怒涛のようなアゲ曲。それは他の曲と比べてすごくトラックの作りがアッパーかと言えば全くそうではなく、ただ、少なくとも私が聴いたことのある彼女たちの持ち歌の中で唯一「およそ転調がないまま4で割り切れる拍子で最初から最後まで通す曲」だからという非常にシンプルな理由。
いや、アガるのすごくわかるんだけど、だったら何で彼女たちのファンになっちゃったの、という根本的な疑問も呈したい気持ち。

しかし、マリちゃんがいずこねこの活動停止後に元BiSのカミヤサキと組んでプラニメを結成するも速攻脱退したり、マリちゃんと組んでいたサクライケンタがこのMaison book girlで別の元BiSと組むなど、何かここらのアイドル界隈の人員移動が非常に昔のプログレバンド的になっているのがとても興味深い。何があるんだろうアイドル界隈。