相変わらずライブ。今週末は金土日3連発。

12/18(金):vistlip@代々木第二体育館
2年くらい間が空いてしまったのか。以前に観ていた彼らは、アッパーな曲で場を上げ、その貯金でミディアム、スローな曲を乗り切ってまたアッパーな曲で上げる、という印象だったのですが、今回きっちりミディアムスローでも場を作れるようになっていることを確認。確実にスキル上がっている。無理にアッパーな曲固めるようなこともなくすごく自然にラストに向けての流れを作っていく。本当にうまくなったなあ。
本人たちもアンコールのMCで「スタッフから今までのライブで3本の指に入るって言ってくれた」と言っていましたが、私が今まで観た中では確実に一等賞。素晴らしい。

しかし今回、初めて代々木第二体育館に入りました。キャパ4,000人くらいでしょうか。しかも若干ながら空席ありで。このキャパで平場から舞台を建て込むことを考えると相当利益率薄い。物販では本人考案のフードまで出していたのですが、もうそこは物販で頑張っていただくしかないです。もう一声で国際フォーラム、武道館。是非そこらへんあたりまで。

ただ、今回いつも声かけてくれる友人と酒飲んで話していたのですが、最近のV系は新規流入も少ないし、若いファンが入ってきてもひとつのバンドに付いてしまってV系全体での循環も非常に悪くなっているようで。だからすごく思うのはまたV系のフェスをやるべきではないかと。「せっかくだからあれも観てみようか」という安易な考えが、その後の人生の大きな過ちの始まりになることを期待したいのです。


12/19(土):フラワーカンパニーズ日本武道館
26年やってるバンドが初の日本武道館。超満員。びっくりした。というかそもそもそこらへん界隈好きな友人から「少しでも人が多い方が嬉しいからぜひ来てほしい」と懇願されたものであり、でもうっかり予約忘れていて公演4日前に慌てて見てみたらもう見切れ席しか残っていないという奇跡。結局少ない当日券も全部出て掛け値なしのソールド・アウト。自分もバンドもファンもそんなの誰も予想していなかった。

この武道館公演は2年前の怒髪天の武道館公演から始まっていて、彼らも満員御礼の中で無事公演を果たしたのですが、その際に「次はフラカンかな!」と言ったそうでそれでこれ。で、公演中には怒髪天作成の「武道館バトン」が登場し、次にそのバトンを渡す候補として大木兄弟とかザ・コレクターズとかの名前を挙げて無駄に仲間にプレッシャーをかけておりました。

ただ、やはり長くやっているバンド仲間の結束は固く、怒髪天も大木兄弟もライブの場で「是非フラカンの武道館に行ってくれ」ということを言い続けてのこの満員であり、また仲間界隈が日本武道館公演を発表した場合、みんなして宣伝して結局そこらへん界隈が好きなベテラン駄目人間がまた集結することになるのです。
次どうなるか楽しみです。


12/20(日):ゆるめるモ!Zepp DiverCity
えげつないものを観た。今までワンマン行ってなかったことを心底後悔した。
彼女たちはワンマンの際には生バンドを入れることがしきたりになっているのですが、今回はアルバムの録音にも関わった面子を中心に12人編成、ブラスあり、ツインドラムでトリプルギターという変態編成(ギターの1名はギターシンセがメインぽかったけど)。
それでどうなるかというと、比較的アイドルソングっぽい楽曲を並べてきた前半は、まさかゆるめるモ!の楽曲が王道のアイドルソングに聴こえる日が来ようとは、という驚きに打ち震え、でもJOJO広重がゲストで呼び込まれたあたりから明らかに具合が悪くなる。
長尺ドープ楽曲「Sweet Escape」でバンドのグルーヴがぐるんぐるんし始め、DFA的なプロダクションを引用した「スキヤキ」ではもう完全に地を這うグルーヴが唸りを上げ、そういうふうに作ってあることはわかっていても「NNN」はベルベット・アンダーグラウンドの「Sunday Morning」にしか聴こえない。いちいち全部ガチ。

今回のアルバム、今まで以上に「曲の進行に必ずしも必要がない音」が異様に入っているという感想を持っていたのですが、そんな音の数々がすごい説得力と必然性でもってぶっ放される。
ミキシングのバランスもBABYMETAL以上の勢いで女の子たちの歌よりもバンドの音の方が大きくなり、ていうか先月同じ箱のだいたい同じ位置で観たはずのRIDEより根本的に音がでかい。頭おかしい。
結果アイドルを観に行ったはずなのに、自分の中のチャンネルはもうポストパンクバンドを観る際のそれに切り替わり、でもそこここにアイドル的な盛り上がりもあったりして、何か訳わからんままただ高ぶりつつ終了。すげえものを観た。

で、やる気がないと思っていた水色担当のあのちゃんですが、間違っていました。彼女はやる気がないのではなく、ONとOFFの差が激しいだけで、高円寺やフェスで観た時にはONにならなかっただけなんです。今回の公演中にはONとOFFを繰り返していたのですが、終盤完全にONになった彼女を観て、男で生まれて1980年代にバンドやってたらライブハウスにユンボで突入するのはこういうタイプなんだろうなと思いました。
本当に、オルタナ・ポストパンク・ニューウェイブが好きな方は是非彼女たちのワンマンに行くべきです。今の私の気持ちを分かち合いたいのです。

これを爆音の生で聴くのです。