25日にはRIDEの再結成単独公演@Zepp DiverCity。
フジロックのセットリストでわかってたけど、今回も完全に初期に振り切った選曲。
全17曲の内訳。
初期EP:2曲
1st:8曲
2nd:6曲
3rd:なし
4th:1曲
Andyの趣味で後期は「本格派」目指していたわけですが、実際それをリアルタイムで聴いていた我々も「いや、お前らにそんな音求めてねえよ」的に困惑しておりまして。そんな彼らも今となってはもうフロアのおっさんおばさんが何を聴きたいか完全にわかってる。そうだ、それでいいんだ。それでも後期の音がなければAndyはOasis入りすることもなかったと思うので、それはそれで。
音はもうそういう感じのアレですから大変に心地よいフィードバック・ノイズ。本編最終「Drive Blind」の間奏ではたぶん5分くらいホワイト・ノイズをまき散らしてシューゲイザーとしての存在感をアピールしたわけですが、それでもマイブラさんの来日公演でのアレに比べると、音量・音圧・時間とも非常に常識をわきまえた範囲内、やっぱりこの人たちは真面目です。つうかマイブラさんが鬼畜なだけですね。
でもって、シューゲイザーも今やひとつのパーマネントなジャンルとして確立されているわけですが、1991年にその経典とも言える決定版を出して以降永い眠りにつくご本尊マイブラさん以外の、1990年から数年のオリジナル・シューゲイザー世代のバンドはおよそ、やはりパンクと同様に最初こそそういう音でも徐々にフィードバックノイズから逸脱した音楽性を獲得していくわけです。
本格派の「ロック」へ向かったRIDE。
もっとハードロックスタイル寄りの本格派に行くかと思いきやどんどん線が細くなっていったSwervedriver。
元々このカテゴリにいて本格派転向組の中で最も成功したThe Verve。
一応最後までギターは歪んでいたけどメロはどんどんポップになっていったLush。
よくわからんポストロックと化したSlowdive。
機械化の度を深めていくChapterhouse。
1stアルバム出す前にもうノイズに飽きて文系アートの道に進んだMoose。
一瞬このカテゴリに入るも結局ただのサイケ野郎だったThe Telescopes。
結局同時期のマッドチェスターとこれ以降、少なくとも人力で音を出す分野ではこういうその枠から逸脱していくことが前提となったムーヴメントは起こっていないのではないかと思うのです。ブリット・ポップというのはムーヴメントではあっても音楽性で括るには多様性あり過ぎだし、テムズ・ビートとかは、ねえ。非人力ではそれ以降もいろいろジャンルを表すワードはありますが、それでも昨今のEDMなんかは広義ではざっくりすぎだし、狭義では音楽性の広がりようがないし。
もういろいろ出過ぎて、今の若い子たちは過去からの選択と組み合わせでいくらでも気持ちいい音出せるわけで、そりゃ仕方ないっすよ。
それでも、どこかの頭沸いた兄ちゃんが何か新しい音思い付いて持ってくるのを今も楽しみに待ってるんですよ。