8/29は横浜アリーナで@JAM EXPO。
相変わらずの15-20分のサイクルで怒涛のようなステージが繰り広げられるため、会場中を右往左往しながら。何となく一言ずつくらいは言えそうなので、観たヤツぜんぶさらっと。

私立恵比寿中学
高値安定。かつてTIFで全員白塗りのキョンシーの恰好で出てきてまともにグループ名もメンバー名も名乗らないまま45分やり通して帰っていったのですが、そんな狂ったことはもうしないのだろうな。寂しいな。

STARMARIE
初見。3人かと思っていたら5人に増えていた。楽曲もいいしダンスもそれなりにキレがいい。観ていて楽しい気持ちにはなれたのだけど、何つうかオール4というか一部でも図抜けたところが見えないのがすごく惜しい感じ。

・Cupitron
初見。本当に衣装がLEDでバリバリに光っていて感動する。汗かいて感電しないか心配です。ただもうこのコンセプトは先が長くないと思うので、そろそろどっか突破口見つけた方がいいと思った。

PassCode
初見。モッシュ&ダイブ、肩車等のリフト上等の相当荒いオーディエンスにビビる。というかむしろよくフロアをこういう空気に持っていった。自然発生なのか、何らかの方針のもとなのかはわからないのですが、もはや飽和気味の「ロック系アイドル」カテゴリの中で、本人たちではなくフロアによって他のアイドルと差別化が可能という、他になかなか見ないスタイル。

・つりビット
他がいろいろ差別化を図ろうという中「釣り好き」コンセプト以外は極めてオーソドックスなスタイルなので安心して見ていられる。ただ自己紹介で「釣りたい魚はマグロです」とか非常にメジャーな魚ばかりが出てくるのが惜しいというかもったいない。一人くらいヘラブナに特化して、「月刊へら専科」で仕掛け作りの達人に技を習う連載をやってそういう層まで取り込んでいけないのかと思った。

清竜人25
初見。今回どうしても見たかったのがこれ。清竜人がソロでデビューしてその音源を聞いた時、とてもポップなのだけど一般層には極めて受け入れられにくい形のポップネスであり、これこのままいったらどんどん枯れるか先鋭化して、最終的には七尾旅人みたいになるのでは、それも悪くないけど本当にそれでいいのかと思っていたのだけど、世界で一番「いびつなポップネス」に対して寛容なジャンルであるアイドルポップスの世界に活路を見出し、「一夫多妻制アイドルグループ」というロクでもないコンセプトとともに飛び込んでいくという、もうその発想とアクティビティの時点でだいぶ参っていたのですが、ステージもまた異様で面白い。ショーとしてよくできすぎ。これもうちょっと長いこと観たいな。

・寺嶋由芙
初見。素晴らしき大人の落ち着きっぷり。写真では伝わらない何とも言えない可愛さ。「元BiS」の肩書きを持った女の子の中で、現在のところ活動として圧倒的に安定しているのが彼女というのもわかるような気がした。

・Dorothy Little Happy
初見。5人だと思っていたら4人出てきて、歌う2人と踊るだけの2人の格差大きすぎと思ったら正式メンバー2人で残りはダンサーだった。こちらもあんまりわちゃわちゃしたりどっかんどっかん言わない分、非常に落ち着いて聴けた。
最近のグループはどんどん安易な「アゲ」方向に行きがちなので、こういう凛とした空気感はむしろ貴重。大切にしてほしい。

・ミライスカート
初見。京都のはんなり系アイドルとか言ってて、これも無理なアゲではなかったんだけど、問題はリーダーの児島さん。超美人。他の3人がベビーフェイスな可愛い系寄りの中、圧倒的な正統派美人。でもアー写ではみんなしっかりめのメイクしていてあの時の私の感動があまり伝わらない。悔しい。

・CAMOUFLAGE
初見。名古屋で無理くりZEPP公演やった子たち。和風のいでたちで若干トリッキー目の曲多し。華やかだし悪くないんだけど、図抜けた感じもしなかった。いろいろ惜しい。

アフィリア・サーガ
以前見たはずだけどどこで観たんだっけ。桃井はるこが楽曲提供していて、出てきた当時は他にあんまり早いのとかトリッキーなのがいなかった分非常に特異に見えていたのだけど、そういうのが山ほど出てきてしまった今はもう完全に他と横並びになっている感。ステージングとかやっぱ長いことやってる分非常に見応えあるんだけど。

nanoCUNE
初見。すごい運動量だし、きちんと歌えるし、基本性能すごい高いと思ったけど、こういうノリの音源でやる人最近大変多いのでやっぱ何か図抜けた感じはしないのね。シンプルな衣装がカッコ可愛い。物販のTシャツの背中もイカす。

東京パフォーマンスドール
初見。さすがこの看板背負っているだけあって、活動期間そんなに長くないのにものすごくクオリティの高いステージングとダンス。すごい安心して観ていられる。でも綺麗に出来上がり過ぎて驚きに欠けるような気も。贅沢なのか。

PiiiiiiiN
去年はPPP! PiXiON観ようと思って観られなかったのですが、今年はPiiiiiiiNの方が出てたので観た。所謂ロックのりですが、他がロックンロールとか四つ打ちに絡ませたりとか、シンプルにアゲる方に持っていきがちな中、彼女たちのトラックからは何となくUSオルタナティブの匂いがした。けっこう気に入ったんだけど、でもその差別化は微妙すぎる。

・Especia
初見。好きだ。一部のメンバーは漢字ロゴ入ってなかったら、しまむらで買った私服と言われても信じてしまう緩い衣装で出てきて、他のアイドルと一線を画する横ノリ上等、ブラックミュージック〜シティポップをベースにしたトラック。音源は以前から緩くて気持ちいいなあと思いながら聴いていたのだけど、ステージではボトム強めに音を出してるのと、歌唱に勢いもあるのとで、強さも感じられてまた音源とは違った趣きになるのもすごくいい。
フォーメーションダンスはイマイチだけど、ソロダンスはそれなりにこなしているので、やっぱ速いビートで勢いに乗ってしまえば何とかなるタイプのダンスの子たちと一緒の基準で比べたらそりゃ酷だなとも思う。1日の流れで考えると全体の中での異質感ハンパなくて、無理くりコンセプト作り込まなくてもこういうのでいいじゃん、こういうのがいいじゃんと思った次第。

PASSPO☆
以前観たのが9人の時。今回7人で出てきて非常に少なく見えてしまったのはもう仕方ない。本当に一生懸命で、ダンスも見事で、本当に好ましく思っているのだけど、ワンマンのキャパは伸び悩むどころか小さくなってるし、シングルは1年出てないし、もうどうしたいのかどこに行きたいのかさっぱりわからないんだ。

・じゅじゅ
初見。女の子2人はすごく頑張っている。それはわかった。でも、メタルっぽいけどメタルへの愛情感じられない曲と、何となくそれっぽく鬱っぽい歌詞と、「それっぽい」パーツを並べただけのような感じがして、どうにも。

・POP
初見。プラニメはタワレコのインストアで観たんだけど、まさかそこから1年経たないうちに2人ともいなくなり、全く別のユニットに差し替わっているなんて想像もできなかった。歌詞が微妙に変わった「Plastic 2 Mercy」のものすごい居心地の悪さは何なんだろう。こんな状況でこの4人はどこまで頑張れるのだろう。正直あんまりいい想像ができない。

predia
初見。エロいお姉さんがたくさん出てきてすげえテンション上がる。今までの女の子たちが小便臭い小娘に見えるレベル。楽曲も80年代ユーロビートを押さえに来たりしてコンセプトもきっちり。楽しい。ただこれ一歩間違えるとショーパブになりそうなので気を付けてほしいと思った。

アリスインアリス
初見。昨年のせのしすたぁに匹敵する衝撃。ていうか俺もうくたびれたしぼんやり9nine観ようかと思って指定席座ってたんですよ。そしたら独立して動いていた同行者から「ピーチステージやばい!やばい!やばい!」とのメッセージ。彼がこのテンションということは確実にヤバいので、慌てて観に行ったら案の定本当にヤバかった。
一応CD出してるからアイドルグループなんだろうけど、こいつら後ろにCD音源流して本当にたまにそれに合わせて口ずさむ以外は、刀持って延々何かのモノノケとひたすら戦っているのみ。モノノケに憑りつかれてみたり、戦国武将を召喚してパワーアップしてみたり、すごい勢いで地味な見せ場を作って、最後くらい歌うかと思ったら、結局最後の地味な見せ場の後「ありがとうございました!」で終了。俺は今日何を観に来たんだろうか。これはこのイベントのレギュレーションとしてセーフなのだろうか。つうか実際のところ「演劇」集団みたいなんですけど、ここまで来てそれでいいのか。謎が謎を呼ぶ謎のグループ。

アップアップガールズ(仮)
すっごい頑張ってるのはすっごい伝わってくるのだけど、音であるとか、演出であるとか、これぞというところが相変わらず見えない。発する熱量分のゲインがない感じ。本当に頑張りは痛いほど伝わってくるので何とかなってほしいと思う。というか、赤の子が横浜アリーナほぼノンストップで5周走り切ったの本気ですごい。

でんぱ組.inc
もはや恐ろしいほどの貫録。テンションと技と意志がとんでもなく高いレベルで均衡を保っている。凄まじい勢いとクオリティが両立したステージを眺めながら考えたこと以下。
AKBグループのファンはAKBオタだし、スターダスト勢のファンはスタダオタ。Perfumeのファンはパフュオタであり、それらは所謂「アイドルオタ」とは微妙にどこか属性が違うような気がして、じゃあ一般的なアイドルオタの範疇に包括されるアイドルを考えた場合、現状圧倒的なトップはでんぱ組なのではないかと。大きな事務所に属さないまま、そしてセルフプロデュース色を強く出した形でここまで来た、来れたというところでそういう印象を強くさせているのだろうけど。
で、その「アイドルオタ」に属するか属さないかの踏み絵が「W.W.D」の私小説的歌詞を受け入れられるかどうかなんじゃないかなあということを、その「W.W.D」のセリフパートで各メンバーが口を開くその完璧なタイミングで、ペンライトの色をメンバーの担当色に次々切り替えていく練度の高いオタの皆様を見ながら思った次第。


鬼の初見攻めでだいぶ知見が上がった、ような気がする。本当にこの会場はそういうショーケースとしてさくっと観るには最適で、大好きなんだけど、アイドルライブの基本である酒類の販売不可の抜け道になるので再入場不可というのは理解しますが、だったらもうちょっと中のフードを何とかしてほしい。結局おにぎりと唐揚げって、何だよその仕事で時間がない時の急ぎの昼飯みたいなのは。本当に、そこだけです。何とかしてください。来年も来ますから。