26日はPERSONZ@武道館、27日はLUNATIC FEST.@幕張メッセ(1日目だけ)、28日は自家発電@四谷OUTBREAKと週末をグッタリ過ごしてまいりました。
とりあえず本日はLUNATIC FEST.の感想。

10時過ぎ、海浜幕張駅からメッセに歩いていると、不穏な行列がそこここに見えてちょっとドキドキしましたが、こっちではなく「次世代ワールドホビーフェア」の方であるとわかって安心。よく見ると行列の色が黒くなかったから。案の定黒い人たちの方に流れていくとおよそすんなり入れました。

■LUNACY
LUNA SEAの初期表記で、2011年に東京ドームでバンドの初期音源のみという縛りでの無料ライブやる際に復活した名称。通称「しーわい」。
ということで今回も当然初期縛り。曲目の個体認識できない私でも楽しいのがメンバーの髪型。前回東京ドームではウィグ等も登場しましたが、今回は
RYUICHI・真矢:自毛を盛って立てた感じに
INORANジャック・スパロウのドレッドを小さな三つ編みにしたような感じのアレ。
J:そういうのにはあまりノラない主義のようで、基本そのまま。
SUGIZO:デビュー以来ずっとだいたいああいう感じなので、基本そのまま。
というわけで、INORAN特に大盛り上がり。


9mm parabellum Bullet
以前から9mmの世界観はV系に近いものがあると申し上げてまいりました。Tシャツと無精髭の代わりに作り込んだ衣装とちょっとしたメイクを施し、残響からでなくPS COMPANYからデビューさせれば、音源は何一つ変えなくてもV系の曲として受け入れられる感じで。
今回、何となくそれが証明された感があります。このメンツに並んでいて、音出したら何の違和感もない。このステージにはJが飛び入りし、ゴリゴリ弾いて帰って行った。


the telephones
このフェスはいろいろ珍しいものが見られて楽しかったのですが、「フェスなのにアウェイ感ハンパないthe telephones」というのは本当に初めて観た。
いや真ん中付近はそりゃノるのよ。でもフェスに行ったらだいたいたくさんいるサッカーユニフォーム風のバンドTシャツ軍団もこの日は少なめで、普段のフェスのように場全体が上がっていく感がまるでない。前回VIVA LA ROCKで観た時に「BPM下げにかかってるのでは」という話をしましたが、この日の「I HATE DISCO」は今まで聴いたことある中で最高速。ギアを上げて、それでも全体を掴むには至らずに去っていく。でもこれすげえバンドにとってはいい経験だったと思います。何かいいもの観た。
それでも
石毛「WE ARE!と言ったらDISCO!と叫んでください!」
石毛「WE ARE!」
Xファン「エーーックス!」
若手がアウェイで必死に頑張っているのに、大人気ないと思いました。
そして考えてみたら私はつい1週間前にほぼ同じ場所で「WE ARE!」「BABYMETAL!」のさなかにいたことを思い出して感慨深い気持ちになった。


■TOKYO YANKEES
LUNA SEAの先輩軍団から登場。2007年に亡くなったUMEMURAのジャケットをマイクスタンドに掲げてスタート。速くてうるさい。のに何だか往年のロックンロール的ないなたい感じも滲み出てくる謎の音。やっぱりこういう音は考えて出てくる音じゃないんだろうなと思う。X JAPANのPATAが1曲飛び入り。そっちの方もありか。


■LADIES ROOM
さすがに立ちっぱで何も食わないと持たないので、coldrainはパスしてご飯。ちょっとのんびりしすぎてLADIES ROOM最後のちょっとだけしか見られなかったんだけど、RYUICHIが飛び入りして「酒と泪と男と女」演っててビビる。が、後からhideとの思い出の曲と聞いて何となく納得。


SIAM SHADE
栄喜が「俺ら今解散してるんですけど」と言い出す謎の状況。要するに10月から再結成ツアー始めるにあたって「じゃあその前にこっち出てくれ」的な感じでオファーが行ったらしく。本当にこのバンドは現役当時はかなり硬派のギターバンドとして男ファンもやたら多かったんだけど、如何せん音源が非常にライトで聴きやすく作られてしまったが故に、いろいろと誤解多かったのが不幸だったよねと思う。バキバキにエッジの立った演奏で、やっぱかっこいい。
途中で真矢が出てきてコントのような茶番をひととおり披露してからの「1/3」演奏だったんですが、今もネット上中心にいろいろと弄られているのは、その言葉としての強さっていうのが根底にあるわけで、それだけのものを生み出したのはやっぱすごいと思うのですよ。


DIR EN GREY
ここからの怒涛に備えて今後も普通に観られそうなLas Vegas期間は休憩。
DIRはもうガキガキのパキパキ。音源以上にビルドアップされててたまげる。静から動への立ち上がりが尋常じゃない鋭さ。それが幾度も連なるんですから、そりゃダークだろうがメロがキャッチーでなかろうが場はとんでもなくアガるわけです。
でも、映し出される映像や(よく聴き取れないけど)歌詞等々踏まえると、彼らはデビュー時と比較してガラッと変わったわけではなく、世界観は当時からほとんど不変で、ただただ正当に音楽的な進化を遂げていった結果が今のこれなんだな、と思いました。
ここではSUGIZOがバイオリンで1曲参加。正直これが一番盛り上がったのはLUNA SEA主催なので仕方ない。


■DEAD END
80年代UKバンドよりむしろ早いくらいの勢いでゴスとグラムとHR/HM的な音を融合させ、現在のV系に至る流れの中でおよそ生き神様的存在として君臨し、LUNA SEAにも直接的に多大な影響を与えているバンドなわけですが、やっぱ生で聴くと演奏もすごいんですけど、とにかくMORRIEの歌のプレゼンスがハンパない。何かもうありがたいものを拝んでいる気持ちになる。
RYUICHISUGIZOが飛び入りで参加しましたが、もうずっと笑顔で歌っているRYUICHIは、きっと尻尾が付いていたらちぎれんばかりに振っていたに違いない。そりゃ嬉しかろうよ。


X JAPAN
2011年のサマソニで観た結果、全く他意なく掛け値なしの「日本一面白いバンド」として俺内で君臨しているX JAPAN。初見の衝撃と「絶対に笑ってはいけない黙祷」にはさすがに勝てませんでしたが、それでもやっぱり無闇に面白い。

TOSHI「お前らの大和魂、見せてみアーーーーー(声が裏返った)」
YOSHIKI第一声「(満面の笑顔で)げんき?」
TOSHI「暴れん坊将軍でいけー!」(毎度)
YOSHIKI「このフェスに誘われたからアルバムの完成が遅れた」
YOSHIKILUNA SEAと出会った当時はライブないのに毎週打ち上げしていた」
そしていきなりアルバム収録予定の新曲の「3万人コーラス」収録開始。

ここまで全くのオンタイムで進んでいたフェスで余裕で開始を10分押ししてくるのが素敵。終わりはさらに15分押し。安定のYOSHIKI時間。もう本当にあんなに激しいのに終わった後は相変わらずほっこり温かい気持ちになる、謎のライブでした。大好きだ。
ただ、アルバムの完成間近とか、コーラス録音したからといってそれが必ず使われるとか、そこはあんまり信じ過ぎない方がいいと思いました。


LUNA SEA
日本の、私がライブ観たことある全てのバンドの中で、最もライブがすごいのがLUNA SEAなんですよ。「出し切った」感なくても普通のバンドじゃ絶対届かないレベルにポンと行ってしまう化け物並みのスキル+バンドマジック。案の定この日もそんな感じで、ああ、素晴らしいなあと思いながら観ていたら、hideの「ピンクスパイダーかましてきてのけ反る。超かっこいい。

本編は「ROSIER」締めの、アンコールでX JAPAN含めて残ってるメンツ全部ステージに呼び寄せて「PRESIOUS…」。MORRIE・TOSHI・RYUICHIが並んで歌ってる絵が素晴らしすぎてグッとくる。YOSHIKIはhideのイエローハートのギター現物持ち込む始末。アンコール以降は何かもう情報量多すぎて追い付かないまんま終了したんですけど、結局もっとも心にいろいろ刻まれたのは、泥酔したLADIES ROOMのジョージのマイク芸でした。出演者の熱演に次ぐ熱演によってタイトな印象だったフェスを最後にたった一人でいい感じにグダグダに溶かすのは、正味すげえよ。


明らかに場の面積に対して人入れすぎ、物販並び過ぎ、フードの店少なすぎ、環境面ではお世辞にもよかったとは言えなかったけれど、継続的なフェスでもないし、そんなのどうでもいいくらいにライブが素晴らしかったので、よし。
つうか1日いた感想としては、これは通常「フェス」と呼ばれている類のものではないわ。ここでのんびり1日過ごすとかありえない、何かもっと濃密な別のものでした。本当にいいもの観た感。終わった後は心底ぐったりだけどな。

あと、他のV系を源流にしたバンドは、意識的に出ていったバンド、大きくなりすぎた結果自然に「普通」になっていったバンド含め、「V系」という枠から離れたり外れたりしてしまったバンドがほとんどなんだけど、その中でV系に片足は残したまま、ここまで大きくなったのはLUNA SEAだけなんじゃないかと思います。
今回のフェス、若手のV系が選ばれなかったのは残念だけど仕方ないと思いつつ、それでも若いV系の子たちがこのフェスを見て、何か感じてくれて、それをもとに何か次に残してくれれば、それはまた素敵なことではないかと思うのです。