校庭カメラガール / Ghost Cat (Album)
前にプレビューで聴いてサブカル糞親父の血をたぎらせた4人組アイドルラップグループ。
全9曲のうち3曲書いてる人が2人いて、片方は徹底的にテクノ系、片方は比較的ノーマルなポップ路線のため、全体的にガチガチにならずにバランスもよい塩梅。が、先日は俺内アイドルアルバム最高傑作であるamUの「Prism」を引き合いに出しましたが、「アイドルポップス」としての殺傷能力という意味では、これは音楽的には「アイドルポップスとしてのトラック」ではなく、「高性能なトラックに女の子の声を乗せている」というバランスであり、化学反応としてはもう一声欲しいかな、というのが正直なところ。それでもアルバム通して聴くとやっぱ完成度ハンパない。テンション上がる。
あと、アイドルグループのみに存在する楽曲の聴き方として「パート割のキャッチーさを愛でる」という側面があると思っているのですが、このグループは超アニメ声の子がかなり緻密な計算のもとに自分のパートを受け持っていて、時々すさまじい破壊力を発揮していてヤバいです。特に最終曲「Unchanging end Roll」のAメロ最後の「僕は…」のワンフレーズ一撃必殺さ加減はガチ。
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BAROQUE / Planetary Secret (Album)
2001年結成のV系バンド。途中ここまで随分ありまして、一度解散して分裂してkannivalismとboogiemanという2つのバンドになったもののまたくっついて再始動して、そしたらメンバー失踪したりして結局今は分裂時kannivalismだった2名のみで活動中という感じで。
音楽性もデビュー当時は「オサレ系」とカテゴライズされたようにV系では珍しくカジュアル系の衣装で音楽性も普通のギターバンド的、それが急にシューゲイザーっぽい方に振れてみたりまたポップに戻ったりしていたのですが、このアルバムはもう完全にコンセプトアルバムと化し、今度はシューゲイザーというよりはポストロック系、The Album LeafやSigur Rosあたりを意識したような音作り。
とはいえ正直そこらへんの世界クオリティに肩を並べるのは至難の業だし、そもそも以前のポップ方面からの過渡期的な、普通のバンド然とした空気はまだまだ拭えていないのですが、でも今J-POPそしてV系界隈からそっちの音へ行こうなんてのは無謀でしかなく、それでもアルバム全編その世界観でやり通しちまってるところにどうしても「心意気」を感じてしまい、嫌いになれないのです。というかけっこう好き。意志のアルバム。