■ - WASTE OF POPS 80s-90s

先日5月6日、日本最北というか、タワーレコードブランドが現存する国を見ても世界最北のタワーレコードだった旭川店が閉店いたしました。郊外のイオンモール内の店舗でしたが、閉店前の4月、再開発で駅前に巨大イオンが誕生したのですが、そちらにはタワーではなく地元資本の玉光堂が店を構えました。

以前からたびたび言及しております通り、2011年3月にセブン＆アイがタワーレコードの筆頭株主になって以降、イオンのテナントとして営業していたタワーレコードがすごい勢いで閉店しまして、2012年7月にそれ以前に筆頭株主だったNTTドコモが所有株を買い増しして発行済み株式の過半数を押さえ、主導権を取り戻してからはその閉店の勢いは多少緩やかになった感はあるものの、それでも閉店する店舗の大半がイオンのテナントという流れは変わらずでございます。巨大小売業同士のケンカは怖いよ。

ということで、その2011年3月以降のタワーレコードの開店店舗・閉店店舗とその入居テナントの家主をざっと並べてみる次第。

■開店
2011.03.03　タワーレコードアミュプラザ博多店（アミュプラザ博多＝JR九州）
2011.04.26　タワーレコードあべのHoop店（あべのHoop＝近鉄）
2011.05.25　TOWER mini汐留店（汐留シオサイト＝多企業複合体）
2011.06.28　タワーレコード西武東戸塚店（西武百貨店東戸塚店＝そごう西武）
2011.07.14　TOWER mini西武船橋店（西武百貨店船橋店＝そごう西武）
2011.11.25　タワーレコードアリオ倉敷店（アリオ倉敷＝セブン＆アイ）
2011.12.16　TOWERmini アリオ松本店（アリオ松本＝セブン＆アイ）

2012.02.24　タワーレコードアリオ川口店（アリオ川口＝セブン＆アイ）
2012.03.23　タワーレコード LALAガーデンつくば店（ららぽーと＝三井不動産）
2012.04.19　TOWERmini ダイバーシティ東京プラザ店（ららぽーと＝三井不動産）
2012.04.19　タワーレコード高松丸亀町店（丸亀グリーン＝地元組合＋森ビル）
2012.09.27　タワーレコードリヴィン光が丘店（LIVIN光が丘＝西友）
2012.11.22　タワーレコードアリオ鷲宮店（アリオ鷲宮＝セブン＆アイ）

2013.02.27　タワーレコードアリオ八尾店（アリオ八尾＝セブン＆アイ・HMV退店後にオープン）
2013.04.27　TOWERmini アリオ仙台泉店（アリオ仙台泉＝セブン＆アイ）
2013.06.29　タワーレコードアリオ上尾店（アリオ上尾＝セブン＆アイ）

2014.03.07　TOWERmini ららぽーと甲子園店（ららぽーと＝三井不動産・HMV退店後にオープン）
2014.03.12　TOWERmini くずはモール店（くずはモール＝京阪電鉄）
2014.04.25　タワーレコード横浜ビブレ店（横浜ビブレ＝イオングループ）
2014.04.29　タワーレコード那覇リウボウ店（リウボウデパート＝地元資本）
2014.09.26　タワーレコードアミュプラザ鹿児島店（アミュプラザ鹿児島＝JR九州）
2014.11.22　タワーレコードグランツリー武蔵小杉店（グランツリー武蔵小杉＝セブン＆アイ）

■閉店
2011.06.12　タワーレコード千種店（イオン千種SC）⇒新星堂入店
2011.08.21　タワーレコード浜松市野店（イオン市野SC）⇒イケヤ入店
2011.08.21　タワーレコード長野店（K'Sスクエア＝地元資本）⇒エステ店等に
2011.08.21　タワーレコード熊本パルコ店（熊本パルコ＝Jフロント）⇒g.u.（ユニクロ系列）に
2011.09.11　タワーレコード八千代緑が丘店（イオン八千代緑が丘SC）⇒HMV入店

2012.02.19　タワーレコード宇都宮店（宇都宮パルコ＝Jフロント）⇒100均ショップ等に
2012.03.06　タワーレコード直方店（イオンモール直方）⇒HMV入店
2012.08.12　タワーレコード大和店（イオンモール大和）⇒g.u.（ユニクロ系列）に
2012.09.02　タワーレコード岡崎店（イオンモール岡崎）⇒HMV入店
2012.09.06　タワーレコード水戸内原店（イオンモール水戸内原）⇒HMV入店
2012.10.08　タワーレコード高岡店（イオンモール高岡）⇒HMV入店

2014.01.26　タワーレコード高崎店（朝日町ビル＝地元資本）⇒アニメイトに
2014.08.20　タワーレコードイオンモール宮崎店（イオンモール宮崎）⇒新星堂入店
2014.09.28　タワーレコード岡山店（岡山OPA＝イオングループ）⇒OPA自体が閉店

2015.05.06　タワーレコード旭川店（イオンモール旭川西）

この期間内に新たに開店した店舗でイオングループ内に入ったのは横浜ビブレ店のみ。逆に閉店した23店舗のうち18店舗がイオン絡みと、清々しいくらいの状況です。つうかよく横浜ビブレに入れたものよと思うくらいですが、ここは以前既に一度HMVが音を上げた場所でもありますし、逆に横浜の駅近に何としてでも大型店を出したかったタワレコ側とのかなり深刻な相互関係の上で成立した契約ではないかと思うわけで。

で、これだけイオンから撤退したタワーレコード、あとどれだけイオンのテナントとして残ってるんやと思ったら、まだ結構たくさん残っていた。

■イオングループ店舗内に残存しているタワーレコード
タワーレコード大分店（大分フォーラス・1996年8月開店）
タワーレコード秋田店（秋田フォーラス・1997年3月開店）
タワーレコード藤沢店（藤沢OPA・1997年9月開店）
タワーレコードイオンモール倉敷店（イオンモール倉敷・1999年9月開店）
タワーレコード姫路店（姫路フォーラス・2000年3月開店）
タワーレコード京都店（河原町OPA・2000年6月開店）
タワーレコード佐賀店（イオンモール佐賀大和・2000年9月開店）

タワーレコード新潟店（イオンモール新潟南・2007年10月開店）
タワーレコードイオンレイクタウン店（イオンレイクタウン・2008年10月開店）
タワーレコード金沢フォーラス店（金沢フォーラス・2008年10月開店）
タワーレコード大高店（イオンモール大高・2010年11月開店）

タワーレコード横浜ビブレ店（横浜ビブレ・2014年4月開店）

タワレコ全84店舗のうち25店舗がイオン絡み。まだ相当な割合。
ただこの中には秋田や大分のフォーラスの店舗のようにB1階という好立地に位置し、まだ客を呼ぶメインテナントとしての機能を持っているため、追い出したらフォーラスごとヤバくなる可能性のあるのとか、金沢・京都、そして横浜のように今以上の好立地がおよそ考えられないため、そう簡単に出ていきそうな気配のない例もあり、なかなか難しいところ。
それでも、特にイオンモール店舗は、他のテナントに入っている店舗よりは閉店する可能性は高いと考えてもよいのではないでしょうか。

現状のタワレコ、全国チェーンの中で最もレベル高くビジネス回していることは間違いないのですが、ここ最近HMVが既存店を移転して床面積広げにかかったり、今秋渋谷に改めて旗艦店を出店したりと、改めて「攻め」に転じている状況、優良な選択肢として今後のし上がってくるようなことになれば、またすごい勢いの「タワレコ⇒HMV」入れ替え戦が開始されないとも限りません。

ただ、のし上がった頃にはパッケージ販売のキツさがより一層表面化してて、タワレコ閉店したけど次の店もうどこも入らないよという可能性も、高い。すごく高い。