TOWER RECORDS presents FIST BUMP vol.1 氣志團×キュウソネコカミ

昨晩はこれに行っていたわけです。
タワレコ主催の企画ライブ第1弾ということですが、その割には随分と雑というか、「ヤンキーこわい」と常々言っている人たちの前にただ本物を連れてくるという、基本それだけのマッチング。
これはもう相当に酷い茶番が延々繰り広げられると予想し、ただそれを観て笑うつもりでお台場に向かったのですが、甘かった。大変に甘かった。目の前で繰り広げられたのは、ベテランバンドによる若手潰しの凄惨な現場でした。

先攻、氣志團。
逆光に近い灯りの中「房総スカイライン・ファントム」のパフォーマンスからいきなり「One Night Carnival」。後半のサビで演奏を止めてシンガロングさせるところまではいつも通り。が、そこで袖からキュウソネコカミが出てきて因縁付け始めたので、さっそく茶番開始だと思って見ていたんだけど、何となくおかしい。キュウソのメンバー随分背が高いし、声も違うし、チェックのシャツ着てるけど天然リーゼントだったりする。

要するにそこまでパフォーマンスしていた氣志團は全員偽物で、後から出てきた5人がキュウソネコカミのコスプレをした本物。曰く「キュウソネコカミ親衛隊木更津支部 チクビアマガミ」。翔やんのInstagramに上がっていた写真がこれ。ガチ。

「綾小路セイヤ」が偽翔やんの頭をビール瓶でかち割って退場させた後はもうやりたい放題。氣志團の曲の合間にちょいちょいキュウソの曲のフレーズを挟み、「氣」斗雲によるクラウドサーフやらかめはめ波やら、キュウソのライブでの持ちネタを洗いざらい先にやってしまい、途中のMCでは胡散臭い関西イントネーションでの鬼の自虐トークで爆笑に次ぐ爆笑の渦。挙句に「ヤンキーこわくない」のシンガロングを強要。あとはとっとと自分らの持ち歌のアッパーな奴を並べてアゲるだけアゲて帰って行った。
私も過去ツーマンライブいくつも観ていますが、先攻がここまで場を荒らしていったという状況は観たことがない。鬼の所業。

完全に焼け野原となったZepp Tokyoに、それでも立つキュウソはもうそれだけで素晴らしいのですが、最初のMCで唖然としつつ悔しがりつつ、先攻の演出が全くのダマだったことを語るセイヤとシンノスケ。本当に心中お察しします。
が、そこで負けん気というかきっちりその気持ちをガソリンにしてすごい勢いで持っていく彼らはやはりプロ。前に観た時よりかなりいいライブだった。それでもあそこまで作り込んだ演出をする余裕もなく、というかそもそもそういうバンドでもないので、やっぱり最終的に印象に残るのは氣志團なのはもう仕方ない。

アンコールはここばっかりはお約束通りの「DQNなりたい、40代で死にたい」で氣志團もちゃんといつもの姿で登場し、いろんなコールをさせられつつ最終的には「ヤンキー可愛い」のシンガロングで大団円。

何でも翔やんがサングラスなしでステージに立ったのが20年以上ぶりという話。そういうレアな状況をこういう若手バンドとの対バンでやってくるというのも鬼。ただまあ、矢島美容室は別人という体で。
あと、キュウソの相当に気合い入った演奏を観ながら、何の根拠もないんだけど、KANA-BOONとかの他の高速系バンドはそのスピードを「武器」として使用しているのに対して、キュウソにとってこのスピードや歌詞の世界観は「鎧」なのではないかとふと思った。何か、他と違う。

この企画、Vol.1ということは今後シリーズ化していくつもりなのでしょうが、初っ端からこういうあまりにもエクストリームなライブになってしまい、今後のブッキング地獄かと思いますが担当の人は頑張ってください。