HMV/渋谷に複合旗艦店

HMV渋谷、完全復活。
公園通りの三叉路のところのマルイシティのビル
立地的には駅からタワレコへの導線上に近い位置であり、持って行かれたパイ取り返す気満々な感じです。かつ、書店としての機能も持たせるということですので、WAVE→アニエスベーコムサと来て現在は紀伊國屋書店が入居している西武モヴィーダ館にも同時に喧嘩売る気も満々。ワンストップでCDも本も買える利便性とか考えるとけっこうアリかもしれませんが、結局品揃えどっちも中途半端になって死ぬ可能性も。

HMVはローソン傘下に入る前の縮小期、生き残ったものの大幅縮小した新宿・池袋や大阪阿倍野HMV SPOTのように、限界まで床面積を絞り込み、予約の受取窓口と売れ線商品の販売のみの役割に特化した「選択と集中」的な方針を取っていたのですが、池袋はこの4月、移転リニューアルして改めて床面積拡大し、そしてこの渋谷ということは実質的に「打ち手の失敗」を認め、軌道修正を図るということなのでしょう。

HMV渋谷不在の間にタワレコの方は「イベントを仕掛けて人を集め、体験と抱き合わせにする形でパッケージを売る場」という方向に完全に舵を切り、リニューアル後の渋谷店は完全にそういう作りの店舗になりまして、既に各署とかなりのコネクションをゲットしておりますが、そこに対して完全に出遅れたHMVもその方針を模してイベントスペース付きの店舗になるということで、今回改めてどのあたりにぶっ込んでどうタワーと差別化図ってくるのか、というのが気になりどころ。

そこで引っかかるのが「メインターゲットは30-40代の女性」というアウトプット。自分や周りのこととか無視して考えると、もれなく旦那や子供も、つまりファミリー層に、という方向に思考が行きがちですが、そこはそれ、お一人様の30-40代女性のみに絞ったところでそれなりの客層が期待できるのが東京の東京たる所以でございまして。
ということで、タワレコは社長がアレなので、「アイドル」という範疇のみで見ればどうしても展開が女子アイドル系メインになっておりますが、そこでHMV、ジャニ系以外の男子アイドルグループとか、マス展開が現状なかなか難しいが露出の場は少しでも欲しいK-POP勢との利害は相当に一致するんじゃないかと、思う次第でございます。

私は、以前のHMV渋谷店同様、洋楽の試聴機に知らなくてイカす奴をぶっ込んでおいてくれたらほいほい買いますので。その当時のバイヤーさんとかが残っててくれたらいいんだけどなあ。どうなんだろうなあ。

あと、今回の渋谷は結果としてかもしれませんが、タワレコにぶつけるような立地で復活しますが、1年後もしかしたら新宿も同様の形になるのではという予感がひしひしとしています。現在新宿南口の甲州街道お向かいの新南口にでかいビル建設中ですが、その低層にはルミネが南口の建物を増床する形で入居するそうで。
現在のタワレコはいわばルミネを振った形で隣のビルに移転したわけですが、怨念のルミネが新店舗にHMVぶっ込んでくるとしたら。現在のタワレコの道を挟んで真向いに。というかHMV、そういう増床の方針で改めて攻めていくのであれば今の新宿そのルミネしかそのクラスの場所はないので。
血を血で洗う抗争、再びスタートか。そりゃ購入する側にとっては楽しみで仕方がないわけで、お前らの本気待ってます。