上原ひろみ観た翌日8日にはThe Drumsの単独来日公演行ったんですよ。1st出た後にサマソニで一度観てるんですが、独特すぎるステージパフォーマンスが忘れられなかったのと、先日リリースされた3rdアルバムがそれまでの集大成的な非常に素晴らしい出来だったので、これは改めて観に行こうと。

で、彼らは完璧に「技術が評価の前提になっていない音楽」の真骨頂。正式メンバー2名になり、どういうサポート編成で来るかと思ったら、一応ギターバンドという体なのにギター・ベース・ドラムを100%サポートに任せるという衝撃のスタイル。
まあ、ヴォーカルのジョナサンくんはいいんだよ、歌ってるから。問題は公式なクレジットではギター担当のはずなのに何故かアナログシンセの壁の前に立っているジェイコブくん。
彼の舞台上での全ての活動を100%とした場合、およそ以下のような割合。

10%:アナログシンセのつまみをいじっている(音を出してない時も多々あり)
20%:演奏している(だいたい右手のみで左手は変な動きをしている)
30%:タンバリンを叩いている(音はマイクで拾っていない)
40%:変な動きをしている、もしくは変な踊りを踊っている(キレは悪い)

さらに衝撃的。2人組のグループでここまで演奏歌唱に加担していない正式メンバーを見たのはピエール瀧以来です。

そして、2010年にサマソニで観た時には「諧謔性」「演劇的」という言葉を使って形容していた彼らの独特すぎる空気感、今回観た途端にパッと思い浮かんだ形容は「何かぬめってしてる」だったのですが、基本炊きすぎのスモークの中バックライトを使用して後ろのサポートメンバーが見えなくなり、揃ってキレの悪い変な踊りを踊っている2人だけの姿が見えた時、そこにあったのはブルックリン出身のバンドではなく、ErasureとかのUKシンセポップ・デュオ的な佇まい。それに気付いたとき、全てが腑に落ちたような気がしました。
こいつらのこの先にはきっと真っ当ではない将来が待っています。楽しみです。