こういうCDが店頭に並んでいるのをうっかり見つけると、一切の迷いなく2枚まとめて買ってしまう癖は何とかした方がいいと思うんだけど、でも「抱いて、火をつけて」には麻生よう子の「I Will Survive」とかリフラフの「東京涙倶楽部(=Wake Me Up Before You Go-Go)」入ってるし、「卑弥呼」にはツインキーの「君の瞳に恋してる」とか渋谷哲平の「In The Navy」入ってるから買わなきゃいけないんだ。
そして来月にはこっちの2枚も買う。そうやって生きていく。
-
- -
何か流れが変わった。
去年くらいからその兆しはあったんですが、ここんとこ明らかにCD店の新規開店数が増えています。
もちろん今の世の中、セレクトショップ系の一部を除けば個人経営の店が新たに開店ということはほとんどないのですが、一時勢いをなくしていたチェーン店の出店ペースが上がってるんです。
以下主なチェーンの今年に入ってからの新規出店。「※」は別のレコ屋撤退から間を空けずにオープンしたり、場所を変えて移転オープンという形で「新たに出店」とは微妙に言えない形のもの。
■タワーレコード
2014/03/07 TOWERmini ららぽーと甲子園店 ※
2014/03/12 TOWERmini くずはモール店
2014/04/25 タワーレコード 横浜ビブレ店 ※
2014/04/29 タワーレコード 那覇リウボウ店 ※
2014/09/26 タワーレコード アミュプラザ鹿児島店
2014/11/22 タワーレコード グランツリー武蔵小杉店
(この期間の閉店数は2)
■HMV
2014/04/25 HMV広島本通
2014/07/17 HMVアウトレット木更津
2014/08/02 HMV record shop 渋谷
2014/10/30 MVららぽーと和泉
2014/12/05 HMVイオンモール岡山
(この期間の閉店数は3)
■新星堂
2014/04/25 新星堂 イオンマリンピア店
2014/04/25 新星堂 アクアウォーク大垣店
2014/05/16 新星堂 つくばクレオスクエアキュート店
2014/05/29 新星堂 トリアス店
2014/09/12 新星堂 イオン八事店 ※
2014/09/17 Wonder GOO 横浜ザ・ダイヤモンド店 by SHINSEIDO
2014/09/19 新星堂 モザイクモール港北店
2014/10/03 新星堂 イオンモール宮崎店 ※
2014/10/18 新星堂 イオンモール木更津店
2014/11/07 新星堂 ポートウォークみなと店 ※
(この期間の閉店数は5)
■山野楽器
2014/03/14 山野楽器 イオンモール北戸田店 ※
2014/11/07 山野楽器 本厚木ミロード店
(この期間の閉店数は3)
■玉光堂&バンダレコード
2014/04/08 玉光堂 イトーヨーカドー広畑店
2014/06/27 バンダレコード イオンモール名古屋茶屋店
2014/11/14 バンダレコード イオンモール土浦店
(この期間の閉店数は2)
山野楽器以外総店数増えてます。
かつここんとこ目につくのは「一旦CD店が撤退し、それ以降数年単位でCD専門店が存在していなかったショッピングモールにCD店が入った」例。
TOWERmini くずはモール店は、2011年3月にHMVが撤退して以来。
タワーレコード アミュプラザ鹿児島店は2010年9月にHMVが撤退して以来。
(その間、紀伊國屋書店が小規模にCD販売)
新星堂 アクアウォーク大垣店は、2011年4月にWAVEが撤退して以来。
新星堂 つくばクレオスクエアキュート店は2011年1月にWAVEが撤退して以来。
新星堂 モザイクモール港北店は、2011年3月にHMVが撤退して以来。
山野楽器 本厚木ミロード店は、2010年頃販売専門TSUTAYA(旧ヴァージン)が撤退して以来。
バンダレコード イオンモール土浦店は、2010年9月にHMVが撤退して以来。
これきっと誰も計算してないと思うんではっきりとは言えませんが、CD販売店は1990年代の最盛期から考えたら数こそすごく減っていることは間違いないんですけど、総床面積で考えればそれほど減ってないんじゃないかと思うんですね。20坪とかの個人経営の販売店がパタパタ潰れる代わりにそれなりの規模を持って大手チェーンがショッピングモールに出店していますので。
確かにCDパッケージの需要は減っていますが、それ以上に個人経営の食料品店が品揃え豊かなスーパーマーケットに駆逐されたのと同じような背景もやっぱりあるんじゃないかと。
それでもさすがに2010年代に入ってショッピングモールの大手チェーンCD店も減り始め、こりゃ本当に終わるかなと思っていたら、何か最近微妙に増え気味になってるぜっていうのが今回の話。
まあ、タワーとHMVは大企業傘下にグループインし、新星堂もワンダーコーポレーション傘下に入って死にかけだったのが幾分真っ当になり、玉光堂とバンダレコードはかなり強力な提携関係を結び、各社それなりに財務体質改善したっていうのはあるんでしょうけど、それでもパッケージ販売に今ここまで強気になれる理由は正直いまいちわからない。
当初予想されていたパッケージから配信への移行の勢いがそれほどでもないことがわかり、かつアイドル系等で根強いパッケージへの需要があると見込んで、とかくらいしか予想できない。
<追記>
ふと思った。新星堂を呼び戻した池袋サンシャインシティのように、ショッピングモール内で開催するイベントでアイドルやら歌手やら呼ぶ際に、大手のCD店があると何かと都合がいいからという説はどうだろう。もはや雑誌単体ではさして旨みがない状態でも刊行を続けるロッキンオン・ジャパンとROCK IN JAPANの関係のような。