サッチャー元英国首相の死の報を受け、わざわざ「奴はたかが雑貨屋の娘じゃねえか」という、当時ですらちょっと引くタイトルのアルバムまで出していたThe Blow Monkeysはじめ、彼女が当時のミュージシャンから面白いくらいに叩かれていたことを思い出します。
同じく急先鋒のひとりで「マーガレット・オン・ザ・ギロチン」という身も蓋もない曲を作ったことでおなじみのモリッシーさん(53)が公開書簡を出したというので見に行ってみたら、20代の頃から寸分違わずブレのない、まごうことなきモリッシーさん(53)っぷりにちょっと濡れた。

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ももいろクローバーZ/ 5TH DIMENSION(アルバム)

今さっき通して聴き終わった。
いいとか悪いとか好きとか嫌いとかそういう次元を超えてただただすごい。ものすごい。
「第七楽章」とか「Z女戦争」とかの単体でキチガイじみていたシングル楽曲がアルバムの流れの中にすっぽり収まってる、という時点でもうそういうアルバムだってことなんですよ、要するに。
細かいところで言うと「労働讃歌」のAメロ部、シングルリリース当時には1曲の流れの中でやや違和感のあった歌詞の一部がアルバムの流れの中で意味を持ってきている。これってつまり2011年の段階でアルバムのコンセプトがおよそ見えてたってことですかね。
とにかく何かいろいろ大変にとんでもないことになっているんですよ。

このあまりにも「アルバム」として重厚なつくりは、AKB48のアルバムが楽曲単体はともかくおよそ「アルバム」としてのトータルでの完成度をハナから考えていないのと、そういう意味でも対照的です。それでも、これは普通アイドルでやることじゃねえよ。
とりあえずもう何回か聴かんと駄目だ。情報量が多すぎる。

ただあれだ、最初の数分間の「さあ、ももクロを聴くぞ!」というリスナーの気持ちを置いてけぼりにしていく感じは、ユニコーンの「服部」を初めて聴いたとき以来の感覚かもしれない。