今月の女性コスメ系雑誌「Bea's Up」の表紙を見て衝撃を受けた。
「事務所に推され隊」はストライキしてもいいと思う。いや、むしろするべき。でもれにちゃんはハンガーストライキは禁止。

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ああ。The Pastelsが16年ぶりのアルバムを5月リリース。
人に「どんな音楽が好きなの」と聞かれた際はだいたい「いろいろ聴きますねえ」くらいでお茶を濁しますが、ニュアンスをわかってくれそうな人には「概ね技術を評価の前提としない音楽が好きです」と答えます。
その答えを最初にくれたのがThe Pastels。彼らは「ポップミュージックの優劣は必ずしも技術を前提としない」という、今も自分の音楽の聴き方の基本になっていることを教えてくれた、先生みたいな存在なのです。

その真骨頂が91年のシングル"Thru Your Heart"。
鳴っている音・声の全てがこれ以上ないってくらいによれよれなのに、でもだからこそ生まれ得る輝きに満ちた名曲。
Creationレーベルを出て以降ちょこちょこシングル出してた頃の彼らの音は本当に大好きで、その時期の音源をコンパイルしたアルバム"Truckload Of Trouble"は今も愛聴盤です。

結果としてそこで得た「基準」でもってアメリカのグランジブーム前夜、Dinosaur Jr.やPixiesやJane's Addictionの音を受け止め、更に遡ってHusker DuやMission Of Burma、Pylonあたりの更に「アメリカン・オルタナティブ」の源流に触れた耳でNirvana以降の音を聴くことができたのは、今も大変有意義だったと思っています。
少なくとも「NirvanaPearl Jamは突然変異でも救世主でもなく、ただ『正当な後継者』であった」ということは耳で理解できたので。
つうか、一聴した時の衝撃は、"Smells Like Teen Spirit"よりもHusker Duの"New Day Rising"の方が上。これを1985年にやってるんだよ。何食ってたらこうなるんだよ。

懐古厨になるつもりはいささかもありませんが、それでも若い人には「あなたの好きなバンドがその音を出すに至ったルーツを探ってみると、本当に音楽を聴くのが面白くなるんだよ」ということは伝えたいのです。