モトリー・クルーのヴィンス・ニールが飛行機のパイロット・ライセンス取得を目指す米TV番組

前田敦子が自動車免許取得を目指す番組と、どっちがいいのか俺には判断できない。

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日本をダメにした“B層”ってなんのこと?

今日は一昨日Twitterでぼそっと言ったこの記事の件の続きにします。
これ見て思ったのは「A層として仕掛けている人」が本当にA層なのかってこと。自分をA層だと思い込んでいる「だけ」の人が多分に混じってやしないかと。
まあ最近のビジネス概ねこういう考え方でやってるんだろうということはおよそ理解はできるわけですが、そもそもここで「B層」と呼ばれている人はざっくりと束として俯瞰して見ればそういう分析通りの総体なのかもしれないけど、それを言語化できる語彙や表明するモチベーションは持たずとも、物事を受信する際の感覚は鋭敏という人はそれなりにいますから、仕掛け側のそういう「人を舐めた態度」はそこここに確実に伝わっていて、でも「自称A層」そんなB層に気付かずあれこれやらかして、その結果としてCDの売り上げ下がるわ邦画の動員下がるわテレビの視聴率下がるわチェーン店の売り上げ下がるわ等々、世の中いろいろとより一層目も当てられない状況になってんじゃねえの、と思います。

音楽の話でいけば、そういう「馬鹿」向けに楽曲を作ることで単体のヒットはぽつぽつ作れても、やたらそういう音ばかり出てきてるのは受け手も気付きますから、どんどんリアクション薄くなっていってもはやそこには大きな鉱脈は残っていない状態。さらに長期間に渡ってファンを囲い込んで人気を維持できるようなミュージシャンはほとんど育てられていないし、大きな商いがあるなと思ったら、70年代-90年代に名を成した人のベストアルバムの大宣伝、かつて彼らの音源を購入していたおっさんおばはんへのリマインダーとしての効果はあっても若い子たちは「これは自分の音楽である」と思ってくれるような属性ではないので、長期にわたって市場を支えてくれる顧客を新規開拓する機能はあまりなく。
そんな感じで今やっていることが「音楽業界の底上げ」「全体的な回復」につながっているかどうかは甚だ疑わしいというか、むしろ食い潰すばかりでマイナスになっている可能性も大アリで。

例えれば「草木を焼いた灰は肥料になる」ことを知っている人が、それを知らない人を見下しながら、でも収穫後土地が痩せて次の年には使い物にならなくなることまでは一切頭を回さず、さして広くもない土地でじゃんじゃん焼き畑農業を行なっている絵に近く、それはどう見ても「頭の良い人」の行動じゃないでしょう。

ただそれでも現場のディレクターさん等は一概には責められない。彼らに長期的な視点を求められない理由は明確にあるから。ここ何年かうまくいかなくなってからの各レコード会社、概ねディレクターさんの多くを「契約社員」として雇い入れる形になっていることです。
各社詳細な内容はわかりませんが単年契約も多いという話は聞いたことがあります。つまりその年の間にうまくいかなければヘタすれば次年度職を失います。そんな身分で長期間を見据えての仕込み等余裕のあることなどできるはずもなく、焼き畑とわかっていても顧客を馬鹿扱いしてでもとにかく少しでも結果を出して次年度に繋がざるを得ないわけで。生活をするためですから。それで食っていかなきゃいけないわけですから。

要するに少なくとも音楽業界の場合、今こういう形のビジネスになっちゃっているのには組織の構造的なところが背景に色濃くあるわけです。じゃあそういう組織に誰がしたんだって話ですが、まあそこは要するにアレですよ、過去からいろんな形でユーザを泥棒扱いする施策等々愉快なことをいろいろとを決めてきたような人たちですね。
そういう人達が「俺達はもう長期的視点で市場全体を活性化させていく形のビジネスなんてリスキーで金のかかることは一切しない。これからもB層を相手にひたすら目の前の10円を拾うような商売をして生きていくんだ!」という固い意志があって現場に焼き畑させてるんだったら、もういいや、それで。でもそれなら他人をあんまり馬鹿にするんじゃねえぞ。