アデル:武井咲主演「息もできない夏」で世界初のドラマタイアップ

欧米での狂ったような馬鹿売れっぷりと比べて日本での反応があまりよくないことに業を煮やしたか、HOSTESSレーベルが遂にゴールデン枠のドラマにADELEをぶっ込んできました。先日マツコ・デラックスをアルバムのCMに起用したときにも思いましたが、こういうメジャーレーベルのような戦略を取れるほどHOSTESSが大きくなったことに感慨もひとしおでございます。
が、正直ADELEみたいな一聴して耳に引っかかる歌謡曲的フックの皆無な派手さのないオーセンティックな音は、基本的に世界で受けるほどに日本で受けることはそうそうないんじゃないかと思います。若干毛色は違いますが、UKでは爆発的にヒットしたのにまるで日本ではまるでダメだったBeautiful SouthとかDeacon BlueとかCatatoniaとかそういう地味系バンドに近い匂いを感じてしまうのですよ。
現在国内では19万枚弱売っているのですが、よくあの音をこれだけ売ったと褒め称えたいくらい。

先日、ADELEとBon Iverが揃ってグラミー獲った時に「やったねHOSTESS大儲けだ」みたいなこと書きましたが、考えてみれば双方ともよりによって恐ろしく日本受けの難しい地味サウンドなので、「グラミーなんだからもっと売れよ!」的に上から突っ込まれたり、実は現場はけっこう辛い思いをしているのかもしれません。すまんかった。

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ソニー、アップルに楽曲配信 販売増へ戦略転換

昨晩ちょっとびっくりした日経のアレ。
最近特に日経の記事は第一報で真に受けると後で痛い目にあうことが多いので用心していたのですが、案の定これも。別にiTunesソニーが楽曲提供を開始するわけでも何でもなく、こちらの通り従来よりソニーの楽曲も配信していたレコチョクが、ガラケーからiPhoneに機種変した人からの苦情があんまりだったのでしょう、購入と再生が可能なiPhoneアプリを出しますよというだけの話。
確かにiPhoneソニーのダウンロード音源が公式に聴けるようにはなりますが、iTunesで楽曲の一括管理はできず、アプリ入れられないtouch以外のiPodでは相変わらず無理。そもそもソニーは特に何もしていないし基本スタンスも変わっていない。ここまで記事の主格をミスリードしようっていうのはさすがにちょっと酷いよ日経。つうかこの見出しと無料で読める部分の何とも言えない感じ。つまりきちんと最後まで読まないと勘違いするよ!僕のせいじゃないよ!有料版申し込んでね!ということか。あれだな、東スポの一面見出しの折り目みたいな作戦だな。

しかし思うんですけど、日本のミュージシャンはおよそ漏れなく、楽曲配信の制限についてとかダウンロードの罰則化とかについて、感想レベルでも言及したら直ちにしばかれるという内容込みの契約でも交わしているんでしょうか。建前レベルでもいいのでメジャーどころの人の声が聞きたい。「自分がこれからどうやってご飯食べていくか」にも直結してる問題なんだけど。正味トップクラスの一部を除いたらそんな「自分の作ったものがどう売られているかなんて気にしない」なんて呑気な態度取ってられないはずです。もしそうなら第三次産業従事者として非常にマズいよ。他人に「頑張れ」とか「今のままでいいんだよ」とか歌ってる場合じゃない。むしろお前が頑張らなきゃいけないし今のままじゃよくない。