自分がいろいろと間違える原点となったバンド、The Fixx。
最初のアナウンスから約1年、ようやくニューアルバムが7/17に出ます。
バンドロゴもジャケのイラストの雰囲気も完全に80年代MCA時代に回帰、より気味悪さを増してもうハナから売る気を微塵も感じさせないジャケットが心を打ちます。

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Hostess Club Weekender、2日め。

■Willis Earl Beal
今回2日間で唯一名前も聞いたことがなかった人。
いきなりゴツい黒人さん出てきてびっくりした。まずアカペラで一節。馬鹿うまい。説得力ハンパない。その後、後ろに置いてあった機材テーブルにかけてあった布を取ったらそこに鎮座していたのはアナログオープンリール。後ろでぐりぐりとオープンリールが回っている前でガンガン歌いまくるゴツい黒人さん。何かすごい絵面。
バックトラックは歪んだフォークロア的な音からポスト・ロック的な音までそこそこ幅広いものの概ねミニマルな感じで、そこにフリースタイル度の高い歌唱が乗っかるスタイル。かっこいいんだけど、さすがに何曲もほぼ同じスタイルだと飽きてくるかな。でも、何かすげえ人なことはわかった。


■Ariel Pink's Haunted Graffiti
「ヘンテコ」的な事前イメージのままアルバム"Before Today"を聴いたら、けっこう普通で拍子抜けした覚えがあるのですが、ステージも60年代サイケを現代的に解釈するといった感じの、正直なところ実に普通な演奏。メンバーほぼ全員がスタッフに「俺の楽器の音量小さいから上げろ」的ジェスチャーをしまくった結果、次の曲ではハウリングしまくりというアレな感じもありつつ、正直気持ちが乗っかり切らないまま終了。悪くはないんだけどなあ。


■Here We Go Magic
音源での印象ではもうちょっと単曲で完成してるイメージだったんですが、想像以上に楽曲各々のポピュラリティで聴かせるというより、リズムを回しながらそこにフリースタイル気味に演奏を乗っけていくジャムバンド的な盛り上げ方。どかーんうわー!みたいな直情的に盛り上がる場面は皆無だったのですが、それでもじんわり場が高まっていく感じはけっこう好き。とてつもなく地味ですが。


■Hot Chip
2日間のベストアクトを挙げれば彼ら。
正式メンバー5人にドラムとDJを加えた7人編成。そもそもこういうダンス色の強い音にぎっちりテクニックのある生リズム隊含む7人で挑むとどうなるか。5人がギター・ベース・キーボード・サンプラー・パーカッションを取っ替え引っ替えしながら、ダンス・ミュージックの気持ちいいところとバンドサウンドのダイナミズムのいいとこ取り状態が延々続く至福の1時間。とんでもなく気持ちいいグルーヴにものすごい勢いで生リズム隊がブレイクを突っ込んでくる。あかん、もう声出して笑えてくる。爆笑しながら踊り続ける。馬鹿になる。
時折冷ややかだったりストイックだったりする側面もあるCD音源はもはや「ライブのためのデモ」でしかなく、ステージから聴こえてくるのはもう血汗ほとばしる全く別の曲。CD聴いて「今回のアルバムはよくわからんな」とか言ってる場合じゃなかった。こういうの毎月1回くらい体感できたら一生幸せに暮らしていけるような気がする。


■Bloc Party
復活初来日ということでフロアの盛り上がりがハンパない。正直盛り上がりすぎとも思いましたが、きっちりそれに応えてくるバンドの底力は疑いようもなく。異常な手数の人力ダンス・ビートを叩き出す馬鹿テクドラム、キチガイじみた独特過ぎるリフをひたすら弾き続けるギター。各々のプレイヤビリティーも尋常じゃない。本編ラストの"Helicopter"のステージ・フロア双方の爆発っぷりは近年稀に見るレベル。いやすごかった。
あとは新譜がどうなるか。新曲は2曲演ったけど、1曲は彼らにしてはびっくりするくらい正統派な感じのと、キチガイリフが冴え渡る非常に彼ららしい曲と。楽しみです。


ということで、両日とも後半2バンドのライブの実力が図抜けているのは猛烈に感じました。やっぱ生き残り支持され続けるのはそういうバンドだということで。

ただもう恵比寿ガーデンホールではキャパがギリギリなのは会場の無茶な混雑っぷりを見れば明らかで、次回開催ではZEPP Diver Cityに引越しというのはもう仕方ない。
HostessはXL・4AD・Domino・ROUGH TRADE・PIAS・Wichita等々、3大メジャーじゃないレーベルのかなりの部分の日本での権利押さえてて、ずっとその数は拡大傾向なので、また秋にはとんでもないの連れてくるかと思います。次回、11/3-4。