しかし、100万枚売れるとかそういう以前に、よほど注意力と記憶力を発揮しないとグループの全体像を捉えることもできなかったり、AKB48のシングルなのに別のグループの子が混じっていたり、AKBが出演するのでテレビを付けたら推しメンがいなかったり、そういう事態を見ている側に「そんなもんだから」と納得させている時点で運営側の大勝利なんだと思う。

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土日は恵比寿ガーデンホールでHostess Club WeekenderクリマンBritish Anthemやらなくなっちゃったので、洋楽を一気に観られる企画ライブはとても貴重。2日間ぎっちり詰めてきました。以下とりあえず土曜分。


■exlovers
普通にかっこいいんだけど、それ以上でも以下でもなく、正直このレベルのバンドなら他にもいるだろうと思う。男女ツインヴォーカルが珍しいのかもしれないけど、僕はもう20年以上前にBARBEE BOYSという世界最高峰クラスというか世界史上唯一無二レベルの男女ツインヴォーカルバンドを知ってしまっているので。


Cloud Nothings
アルビニ先生が手がけたアルバムが死ぬほどかっこよかったんですが、生音になりアルビニマジックがかからなくなった際の「代替」となるバンドの売りがまだない感じ。聴いていてキャッチーなメロの楽曲よりもインストとかスローで重い音の方に何となく魅力を感じました。将来どういう方向に行くのか楽しみ。


■Gaz Coombes
Supergrassの猿のソロ。アルバムからして「Supergrass時代にはいろいろあった『約束事』を全部取っ払って好きなようにやる」感のある、様々なスタイルの音に挑戦してみた音源なわけですが、それを普通にステージで再現したらそりゃもうとっ散らかるわな。どこにフォーカスしていいのかさっぱりわからない。でも今はまさしく手探り状態だと思うので、そのうちにしっくりしたあたりでいい音を出してくれるのではないかと思います。「Come Back Very Very Soon」って言ってたので、アルバムを世界発売した後の単独ツアーにまた日本も組み込まれてるのではないかと。


Mystery Jets
びっくりした。もう何て言うか涙が出るくらい素晴らしい。
デビュー時、とんでもない田舎の島出身とか、親子がメンバーに居るとか、デビュー以後無理くり「テムズ・ビート」的括りに放り込まれたりとかで、そういう感じで話題になった時に聴いてそれっきり、その時は若干線が細いかなという感想だったのですがとんでもなかった。腰の据わった骨太なビート、シンガロングが映える普遍度の高いメロディー。一切奇をてらわず、バンドの実力だけですごい勢いで持っていく。もうその場にいることがすごく嬉しくなる。
このバンド、デビュー当時そういう感じで話題になった後、別にこれといったヒットはないのですが、それでもきっちり活動して4枚目のアルバムまで出しているということはつまり、きちんとライブで固定客を捕まえ続けてるということなんだ、それだけのライブをずっと続けているんだなと。
参りました。


The Cribs
ジョニー・マーが一瞬加入してまた脱退して3ピース(ただしサポートギタリスト1名)。
まったくもって何の飾りもないロックンロールをぶっ放す。とんでもなく純度が高くものすごく熱い音だということは理解できる。でも正直なところ40超えた自分にはもう能動的にこういう音に入っていくことができないんだよ。
それでも熱狂的に盛り上がる若い子たちを見ながら去年のROCK IN JAPANで見たTHE BAWDIESを思い出した。こういうバンドは逆に40過ぎのおっさんに「いいね!」と言われるようじゃ駄目なんだ。若い子が熱狂的にのめり込み、そしていずれ他のバンドや音楽にハマっていく、その入門としての即効性の高い音。自分にはもうわからないけど、でも絶対世の中に無くてはならない音。それでいいんです。


今日、日曜の分はまた明日。