ヒップホップダンスが学校の必修科目になったことに対して、地方の駅前ビルのガラスを鏡代わりにして練習しているアウトローっぽい雰囲気の男子女子はどう思っているのだろう。
イオン等の大型流通業が震災後いち早く営業を再開し、地域を支えるインフラとして有効に機能したことに対して、「ファスト風土」的風潮を批判していた人たちはどう思っているのだろう。

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今日は1日空いていたのでさくっと新木場へ行ってJAPAN JAM。
あまり入りが芳しくないという話を聞きながら向かったところ、確かに新木場駅前からやや具合が悪い感じ。いざ入ってみるとぱっと見そこそこ入っているようにも感じましたが、よく見ると階段上のシートのあるスペースが閉鎖されていて、かつ下手側奥や後ろの若干高くなっている部分の後ろの方には随分なゆとり。およそ7割強といったところか。

今日は4組。

雅-MIYAVI-
ゲストはSOIL&"PIMP"SESSIONSとKenKen、ハマ・オカモト日向秀和吉田一郎のベーシスト軍団。
頭にドラマーと2人の恒例パターン。と言っても観るの初めてなんですが、もう生で観ると印象全然違う。ギターをチョッパー気味に操る彼ですがそれがもうバカみたいにかっこいい。
セッションはセッションでかっこよかったんだけど、音が厚くなればなるほどギター・ドラムのみの時の鮮烈さからは離れていくような気がして。自分はもうちょっと2人だけの音を聴きたかった。彼のライブをきちんと観たことのある人なら、その違いということでもっと楽しめたのかもしれない。


スネオヘアー
ゲストは「渡辺健二(情熱)」という体。渡辺健二スネオヘアーの本名。「情熱」は彼がサニーデイの田中さんと組んでるサイド・プロジェクト。つまり自分と対バンという形。
前半はスネオヘアー代表曲だらけのセット。彼も生で観るの初めてなんだけど、こちらは正直ライブの必然性をあんまり感じない。曲はよくできてるんだけど。
情熱はうってかわってオルタナというか、ガッキガキな音。彼が咆哮する絵なんて想像もしたことなかったから、珍しいものを観たなあという気はしたけど、音そのものは「そういうバンド」として観ればまあこんなもんかなという感じで新しい発見みたいなものはあまりなく。
かといって、突飛なアイデアをバンバンぶち込むという姿勢の人でもないし、なかなか判断難しい。


■髭
ゲストはHALCALIと浜野謙太(在日ファンク)。
髭は相変わらずかっこいい。彼らは自分にとってはあんまりCD買って聴こうという気にはならないんだけどライブは機会さえあれば観たいというタイプ。
ゲストはまずHALCALIから。こういう音にもするっとハマってくる彼女達はすごい。でもよくも悪くも自分たちの色があまり濃くないからこういう形で入ってこれるわけで。もはやラップユニットでも何でもないしなあ。
ハマケンは入場時からやたら髭の須藤にかっこいいかっこいいと持ち上げられる。2週間前横浜アリーナももクロ有安(緑)に罵倒されていたのと大違い。そして本日の白眉、髭をバックにしてハマケンの"Sex Machine"。須藤が言うとおり在日ファンクでは「どストライク過ぎてできない曲」なわけで、それがこんな場所で聴けるなんて。ハマケンきっちり間奏で股割りも決めて完璧。すげえ楽しかった。


ヒダカトオル
ゲストというか、全編堂島孝平(G)、カジヒデキ(B)、アヒトイナザワ(Dr)とのTV MURDERS名義で演奏。さらに大部分はこれにヒックスヴィルの木暮さんも加わった5人編成。
もうこの組み合わせだけで面白くてたまらないんだけど、それぞれが自分らの持ち歌を1曲ずつやりまして、つまり"ラ・ブーム〜だってMY BOOM IS ME"の太鼓をアヒトが叩いているという状況がおかしすぎてゲラゲラ笑う。
一番素晴らしかったのはThe Whoのカバー"My Generation"。ヒダカ曰く「この曲をアヒトのドラムで歌いたかった」という気持ちがすごくよくわかる、嵐のようなドラミング。
正直VOLAはあんまり面白くないので、早くドラマーとして前線復帰してくれないか。


そんな感じで行ってみたら行ってみたで非常に楽しめました。
ただ、出演するバンドの大ファンです!という場合、そのバンドの「普通の」演奏があまりない分だけ引きも弱いので、なかなかコアなファンでないとこういうイベントには来ないし、およそ音楽が鳴っていればだいたい幸せみたいなタイプの俺みたいなのは、まあ今まで散々言っている通り入り口が狭まった分若い者の流入量が著しく減っていますので、あまりそういう人間の動員は見込めない。
かつ、そういうセッション系の演奏までこなせるスキルを持ちつつこういう企画ライブにほいほい出てくれるレベルでフットワークが軽く、それなりにファン層を持っているバンドって、正味恐ろしく限られるわけで。
そう考えると、年々規模がスケールダウンしているのもこれ仕方ないんですが、でも何とか続けていってほしいものです。

つうか何だかんだで面白いから、明日明後日お暇な音楽バカの方は行ってみるとよいかと思いますよ。