山下達郎のベスト盤をようやく入手。目的は主に初回限定ボーナス・ディスク収録の"硝子の少年"本人歌唱デモ。これが素晴らしかった。

しかし、オールディーズや日本の歌謡曲等古いポップスをそのベースにしつつ新たな楽曲をクリエイトするという範疇において、日本では大滝詠一・桑田佳祐・山下達郎の3人があんまり天才すぎかつ知見ありすぎのため、後続にとってのハードルの高さがハンパないことになってるような気がする。
だから後からそういうことやりたい若手組は、歌詞のファニーさを前面に出したり等何がしかの演出をかまして仮初めのオリジナリティーっぽさを出さないと表にまで出てこれず、でもそのせいで結局短命に終わったりとか、それなりのクオリティでデビューしても3人と比較するとどうしてもその懐の浅さが露わになったりとか、どうやってもいいことがあまりない。因果なものです。

特に山下達郎は単独活動に加えて夫婦が魔神合体することで桁外れの守備範囲を誇ってしまうので本当にタチが悪いよ。

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PSYさん遂にUKでは1位。UKでは"SUKIYAKI"の最高位は6位ですので、アジア人としては最高位ということに。
で、"江南スタイル"が日本でほとんど紹介されていない理由、政治的な要因は薄いと思ってます。政治が絡んでくるのであればこのタイミングではむしろ体よく「ほら、韓国は世界的に受け入れられて大人気なんすよ! 日本だけ嫌ってる場合じゃないっすよ! LOVE KOREA!」という懐柔工作のために積極的に活用していなきゃおかしいですから。

英米でのレーベル契約はIslandでユニバーサル傘下。洋楽扱いで音源が回ってくるのであれば日本でも当然ユニバーサル扱いになるわけですが、ユニバーサル・ジャパンは「憧れのかっこいいK-POP」が多数生息する総本山でもありますし、そこらへんいろいろと大変な状況なんじゃないでしょうか。

  • 日本での従来K-POPの状況と矛盾させないようにするとすれば海外以上に徹底的にコミックソング扱いして「かっこいいK-POPとは全くの別物っすよ」感満載でお届けという形にせざるを得ないと思うのですが、この曲に対する韓国本国の「韓国の文化が世界的に浸透」的な現状認識のためにそういう演出が許されないという事態も起きていたりして、担当者が現在進行形で落とし所に苦慮している説。
  • 完全に韓国政府系団体からの補助金がストップしていたり、本人が日本に来ることが当面考えられないためプロモーションのメソッドが他のK-POPと比べて違いすぎたり、さらに他の日本展開中のK-POPへの影響も加味して総合的に考えた結果、トータルでのうまみはさして大きくないと判断して積極的に推すことに二の足を踏んでいる説。
  • 現状把握が完全に遅れてまだよくわかっていないか、担当が決まってなくてゴタゴタしているか、ようやく動き出したが稟議書か企画書が本気で現状把握できていない上司のところで止まっていたりして出遅れまくり、そのうち近々で頑張ろうとは思っている説。
とかいろいろ適当に推測ができて大変に楽しいです。最近PSYさんの話ばかりですが、正味のところ俺内ではプチ祭り状態。こんなおもしろい状況そうそうないもの。
つうか世界リリース盤のジャケットも韓国内リリース盤でのノリと同じイラストなんですが、こうやって並べると圧倒的なイロモノ感。素晴らしい。